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2025年12月の記事

2025年12月30日 (火)

2025美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第414回
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【大器晩成】《「老子」四十一章》大きな器が早く出来上がらないように、大人物は世に出るまでに時間がかかる。心豊かな人は、成功している人を嫉妬しない。失敗から学びを得る。自己の成長のために自分の問題課題を言葉にする。状況を、分析し研究する。燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや
【興福寺、北円堂】710年平城遷都の際、創建。藤原不比等追善供養のため721年に建立。法相宗、唯識学【瑜伽行唯識学派、世親】「唯識三十頌」で八識説を唱え、種子は前五識から6識・意識、7識・末那識を通過して、8識・阿頼耶識に飛び込んで、
【識體の転変、第八識】識は転変する(転識得智)。前五識は、五感(眼、耳、鼻、舌、身)による感覚作用であり、成所作智、不空成就如来の智恵になる。第8識、阿頼耶識(大円鏡智)【種子薫習】阿頼耶識に薫じられて迷界を顕現する種子は3つある。名言種子、我執種子、有支種子
【瑜伽行唯識学派、世親】「唯識三十頌」「唯識二十論」。「唯識三十頌」では八識説を唱え、種子は前五識から6識・意識、7識・末那識を通過して、8識・阿頼耶識に飛び込んで、阿頼耶識に種子として薫習される。これが思考であり、外界認識である種子生現行。阿頼耶識縁起
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【弁護士、教授、官僚】9割は詐欺師か無能。【肩書や見た目に惑わされず】その人がどうなのか見極める。お金を稼ぐことに夢中にならないで真の学問と教養を磨く。一人でいる時に何をするかで将来が決まる、時間を大切にする【カネと地位で買えない価値】精神と肉体の美
【器が小さい人】見栄を張る。武勇伝の得意話。行動しないで口だけ。非を認めない。ふんぞり返る。目下を虐める。些細な事を責め立てる。他人の成功を妬む。不機嫌になる。苛苛。他の意見を受け入れない。次男性格、弟は兄に謀反【「愚者は己を賢いと思う。賢者は己を愚かであることを知っている。」シェイクスピア】
【物欲少なく、教育と藝術を愛する】如意輪観音【カネの亡者】守銭奴、暴力的、木を切る。
【親は敵、兄弟は第一の敵】弟と家督争いをした戦国人。争った弟側が滅亡。弘治3(1557)年、織田信長は、弟信勝を返り討ち。天文十(1541)年、武田信玄は父信虎を追放、弟信繁を捕獲。伊達政宗は実弟小次郎を手打ち。天正十八年4月7日
親は敵、兄弟は敵【伊達政宗の生涯70歳】1590年(天正18)政宗公の命に関わる実母・義姫による伊達政宗毒殺未遂事件。最上家義姫は予てより可愛がっていた政宗の弟小次郎を伊達家の跡継ぎにすべく、政宗の毒殺を企み。一命を取り留め、政宗は弟小十郎を自らの手で斬り殺し
【「他人は私の痛みをもつことができない」ウィトゲンシュタイン】「それを話す人にしか理解できない、その人の私秘的感覚を指す言葉」である「私的言語」の可能性に反対『哲学探究』「カブトムシの箱(Beetle in the box)」の文字を読むことができる。
【「他人は私の痛みをもつことができない」】痛みの記憶を理解する教養。『ギリシア悲劇』『シェイクスピア全集』牛田牛一『信長公記』は血によって書かれた墓碑銘。フロイス『日本史』殺人鬼、詐欺師・明智光秀。残虐王・豊臣秀吉の殺人装置の歴史。
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【「ヨーロッパの哲学的伝統はプラトンへの一連の脚注から成り立っている」】イデア論の難問はプラトン『パルメニデス』第一部に予見され。イデア論と反イデア主義の戦い『ソフィステス』「存在をめぐる神々と巨人族の戦い」、プラトン『中期対話篇』とアリストテレス哲学の戦い
【奥義書】われは梵なり。汝はそれなり。「われはブラフマンなり」 (aham brahmāsmi) BU、「汝はそれなり」(tat tvam asi)CU「実にかの最高梵を知るものは梵となる。」一切に遍満する梵我を知ることこそ、ウパニシャッドの最高目的である。「ヤージュニャヴァルキア仙の遺誡」BU。「ウッダーラカアールニ仙の教訓」CU
【奥義書】われは梵なり。汝はそれなり。「われはブラフマンなり」 (aham brahmāsmi) BU、「汝はそれなり」(tat tvam asi)CU「実にかの最高梵を知るものは梵となる。」一切に遍満する梵我を知ることこそ、ウパニシャッドの最高目的である。「ヤージュニャヴァルキア仙の遺誡」BU。「ウッダーラカアールニ仙の教訓」CU
【梵我一如】「梵我一如」「宇宙原理の梵(ブラフマン)と個我(アートマン)は一つのものである」バラモン教聖典『ウパニシャッド』「伝家の宝刀、開けてはならぬ箱を開けてしまった」「梵我一如」という表現は膨大なインド哲学文献の中でまれにしか現れない。立川武蔵1995、P84『日本仏教の思想 受容と変容の千五百年史』
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【大エジプト博物館GEM】JICA、842億円借款を供与。専門家も派遣し遺物の保存技術支援等に携わる。カイロ地下鉄1000億円融資。2016 年に始まった GEM-JC(Grand Egyptian Museum Joint Conservation Project)という合同保存プロジェクト。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO92343860S5A101C2FF8000/
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
2025美術展ベスト10・・・旅する哲学者・・・美への旅
1、
「旧嵯峨御所 大覚寺百花繚乱御所ゆかりの絵画」
「旧嵯峨御所大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画」・・・嵯峨天皇と空海、運命の美女、橘嘉智子
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-075dfa.html
美への旅 旧嵯峨御所 大覚寺百花繚乱御所ゆかりの絵画 質疑応答篇
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/02/post-fe0b54.html
2、
相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史・・・無の宗教と雪舟、若冲、円山応挙
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-57cb8d.html
相国寺展、金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史・・・伊藤若冲「旭日鳳凰図」、円山応挙『牡丹孔雀図』
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/08/post-b12f39.html
3、
円山応挙 革新者から巨匠へ、・・・雪の中の老松と若松、瀧を昇る鯉、牡丹と孔雀、竹林の抵抗派竹林七賢
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/10/post-13cd31.html
「国宝 熊野御幸記と藤原定家の書―茶道具・かるた・歌仙絵とともに―」・・・御子左家の戦い、孤高の詩人、俊成・定家
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/12/post-f78257.html
4、
「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」1・・・弥勒如来、無著、世親、唯識思想の寺院
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/09/post-3e4680.html
「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」2・・・無著、世親、唯識派の思想、唯識派と中観派の矛盾
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/09/post-11ad71.html
5、
ラムセス大王・・・カデシュの戦い、平和条約。王妃ネフェルタリ、94歳で死す
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/07/post-fae6b5.html
手塚治虫『火の鳥』・・・火の鳥の血と不死、永遠の孤独、不滅の愛
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-eafad1.html
「魂を込めた円空仏」飛騨・千光寺を中心にして-・・・清水真澄館長、記者発表会
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/02/post-ac69ef.html
6、
生誕120 周年サルバドール・ダリ―天才の秘密―・・・魔術的写実主義、ヴィーナスの夢
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/03/post-0c6967.html
「没後50年 髙島野十郎展」・・・空海の密教思想への傾倒
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/08/post-fc2837.html
7、
美への旅「異端の奇才——ビアズリー」、運命の女サロメの図像学、洗礼者ヨハネの図像学
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/03/post-100d8a.html
ヒルマ・アフ・クリント展・・・霊界を旅する者
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-0489b5.html
アールデコとモード・・・1925年パリ万博、『グレート・ギャツビー』1925、クライスラービル1930、ルネ・ラリック香水
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/11/post-ddf546.html
8、「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」、
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」・・・フィンセント、弟テオ、ヨー、フィンセント・ウィレム、100年の物語
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/10/post-21672e.html
オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語・・・ブルジョワジーの家族の肖像、マネ、ドガ、ルノワール
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/11/post-445e82.html
9、
「江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ」・・・浮世絵師の偉大と退廃
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/06/post-72fdeb.html
「五大浮世絵師展 ―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳―」・・・文化文政の浮世絵師、寛政の改革に死す
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/06/post-b61734.html
北斎年譜 ―永田生慈「葛飾北斎年譜」より
https://shimane-art-museum-ukiyoe.jp/life/nenpyo/index.html
葛飾北斎(1760-1849)【「酔余美人図」(1807)氏家コレクション】北斎、48歳の作品。古典主義はバロック化する。
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/06/post-72fdeb.html
国宝の名刀と甲冑・武者絵 三井家の五月人形・・・刀剣の美、曲線美、直刃と乱刃、沸と匂
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-30d565.html
LOVE いとおしい…っ!―鏑木清方の恋もよう、奥村土牛のどうぶつ愛―・・・亡き人恋ふる
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/12/post-e98dd4.html
10、
ミロ展、シュルレアリスム 夜空に描かれた希望、星座が織りなす詩
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-89b7de.html
――
研究編、
ツタンカーメンの生涯と謎・・・秘められた古代エジプトの宗教的意味
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/08/post-207710.html
仏教美術の源流 ガンダーラ 1世紀から5世紀のガンダーラ美術、アレクサンドロス大王
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-388540.html
仏教2500年の旅 仏陀入滅、アレクサンドロス大王、瑜伽行唯識学派、密教
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/08/post-d241f1.html
アグリジェント、神殿の谷・・・コンコルディア神殿、アグリジェントのクーロス
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/03/post-f6d967.html
【葛飾北斎、美人画】『酔余美人図』氏家コレクション、1807北斎48歳。宗理美人からバロック化、亀毛型美人(河野元昭先生饒舌館長)。『合わせ鏡美人図』『立ち美人図』縮緬のように痙攣する50代の北斎美人「江戸の名プロデューサー」
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/06/post-72fdeb.html
質疑応答、孫崎享×大久保正雄「国際政治 トランプ政権、ウクライナ戦争・ガザ」上智大学ソフィア文化芸術ネットワーク、上智大学
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-6f8b94.html
――
2025美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/12/post-861874.html
美術館スケジュール2025・・・旅する哲学者、美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-284bac.html
2024美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2024/12/post-3dea7b.html

2025年12月20日 (土)

「国宝 熊野御幸記と藤原定家の書―茶道具・かるた・歌仙絵とともに―」・・・御子左家の戦い、孤高の詩人、俊成・定家

Mitsui-2025
Mitsui-2-2025 
Mitsui-1-2025
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第413回
 幻想の美、達磨歌(禅問答のような難解な歌)を詠う、藤原定家でさえ、母、美福門加賀を偲ぶ哀傷歌には、真情が溢れている。玉響(たまゆら)の露も涙もとどまらず亡き人恋ふる宿の秋風(新古今788)哀傷歌。*一一九三年7月二日亡母を偲び詠歌。二月十三日定家母没。
新古今歌人は、鹿を歌った。本阿弥光悦、俵屋宗達『鹿下絵新古今和歌巻』17世紀を思い出す。奥村土牛《鹿》、上村松篁《白孔雀》をみると、亡き母の愛犬、トイプードル、緑紅のダルマインコを思い出す。
藤原定家39歳と後鳥羽上皇20歳の出会い。
藤原俊成、人生の黄金時代の頂点に死す、80から90歳。
後鳥羽上皇(1180-1239)、隠岐の島にて、59歳で死す。
藤原定家、『新古今和歌集』49首、『近代秀歌』『明月記』、80歳で死す。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【六条藤家と御子左家との戦い】【御子左家】藤原道長の六男、藤原家長を祖とする家系。俊成・定家により対立していた六条藤家を圧倒し、歌壇の中心となった。
【六条藤家】平安末期から鎌倉初期にかけて栄えた和歌の家系。京都六条烏丸に住んだ藤原顕季あきすえを祖とし、顕輔あきすけ・清輔・顕昭けんしょうなどすぐれた歌人・歌学者を出した。趣向を重んじる歌風で、藤原俊成・定家の御子左みこひだり家と対立したが、南北朝時代に断絶。
藤原定家(1162-1241)、苦節の前半生、80歳で死す。
定家は、下級官人の家柄に生まれだが、上級貴族の末席にまで辿りついた。父は大歌人、藤原俊成(1162-241)だが、県知事にあたる「国司」を歴任する地位にとどまり、国司は金持ちだが、地方職なので高い位階は得られない。一度国司に任官すると、地方暮らしが続き、中央で要職に就ける可能性がなくなる。宮中の栄達を望んだ定家は、父親とは違い、都にとどまり、当時、藤原北家の頂点であった九条家に仕え、辛抱強く昇進の機会をうかがい、晩年に「参議」という官職を得て、上級貴族への仲間入りを果たす。朝廷内で成功。
定家が若かった頃、源平の戦いが勃発したが、その際に彼は『明月記』日記に、「紅旗征戎、吾が事に非ず」という言葉を残した。
【『明月記』、「紅旗征戎、吾が事に非ず」18歳から73歳】
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【後鳥羽上皇と藤原定家】
【後鳥羽天皇(1180-1239)、安徳天皇入水、宝剣を失った天皇】
後鳥羽天皇(1180-1239)は、建久9年(1198)譲位して院政を敷いた。上皇は、和歌に興味を持ち始め、正治2年(1200)8月、『初度百首』を催し、定家は作者の一人に呼ばれた。定家は建仁元年(1201)6月『千五百人歌合』に百首歌を詠進、7月、和歌所寄人を拝命した。10月、上皇の「熊野行幸」を拝命。定家は「面目過分」と名誉としながらも、「虚弱体質」呼吸器疾患に苦しみ悩んだが、建仁元年(1201)10月5日、上皇に随行した定家の旅日記「熊野御幸記」を書く。
【後鳥羽上皇、院政(1198-1221)】
1201和歌所を設置。1205『新古今和歌集』竟宴。第八勅撰和歌集。以後も切り継ぎ。「隠岐本」。九条兼実らの親幕派と対抗。幕府討伐を目指す。北条義時に挙兵1221年、承久の乱、挙兵して敗北。隠岐に配流される。
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【藤原俊成と藤原定家】
藤原定家(1162-1241)は、藤原俊成(1162-241)の長男、歌道の後継者と期待される。安元3年(1177年)定家は疱瘡にかかって二度目の大病を経験し、以降しばしば呼吸器疾患に苦しむ肉体的に虚弱な体質となるとともに、神経質で感情に激する傾向が現れる。
文治元年(1185年)11月末に新嘗祭の最中に殿上で少将・源雅行に嘲笑されたことに激怒し、脂燭を持って雅行の顔を殴ったため、勅勘を受けて除籍処分を受ける事件を勃発。これに対して、翌文治2年(1186年)3月に俊成が後白河法皇の側近である左少弁・藤原定長に取りなしを依頼したところ、法皇から赦免の返歌があった。俊成の赦免嘆願の書状は現存しており、重要文化財に指定されている(香雪美術館所蔵。1201年、後鳥羽上皇の和歌所寄人を勤め、新古今和歌集選者に選ばれる。
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【藤原俊成(1114-1204)】人生の黄金時代の頂点に死す、90歳。
【六条藤家と御子左家との戦い】
永久2年(1114年)⁻元久元年11月30日(1204年12月22日)。10歳で父と死別し、鳥羽院近臣であった義兄 藤原顕頼の後見を得て国司を歴任したが、位階は18年間従五位下のまま停滞した。天承・長承期(1131~35年)、岳父藤原為忠が主催する2度の「為忠家百首」へ出詠するなど詠作を本格的に始め、保延4年(1138年)藤原基俊に師事。
崇徳天皇の知遇を得る一方、美福門院の乳母子である美福門院加賀[定家の母]と再婚し、久安元年(1145年)以降、美福門院の御給により昇叙されるようになる。
安元3年(1177年)に藤原清輔が没し、治承2年(1178年)九条兼実と初めて会談、九条家歌壇に師として迎えられ「右大臣家百首」などを詠進する。寿永2年(1183年)後白河院の院宣を受け、文治4年(1188年)第七勅撰集『千載和歌集』を撰進、名実ともに歌壇の第一人者となった。文治5・6年(1189・90年)には皇大神宮・春日・賀茂・住吉・日吉の5社に百首歌を奉納(「五社百首」)。建久4・5年(1193・94年)頃成立した「六百番歌合」(九条良経主催、俊成加判)で、六条藤家と御子左家の歌人たちがその威信をかけて激突。
正治2年(1200年)以降歌壇を形成した後鳥羽院の命により「正治初度百首」「千五百番歌合百首」等を詠進。建仁元年(1201年)和歌所寄人、建仁2年(1202年)「千五百番歌合」の春歌第三・四巻の判者を務める。建仁3年(1203年)後鳥羽院より九十賀宴を賜り、鳩杖・法服等を贈られる。元久元年(1204年)秋「祇園社百首」、11月10日「春日社歌合」と最後まで詠作を続け、同年11月30日91歳で生涯を閉じた。
藤原定家「明月記」全巻展示、五島美術館で見たのは20年前。
【承久の乱、後鳥羽上皇、北条義時】承久の乱1221、北条義時追討の院宣。三浦義村は、三浦胤義の手紙を義時に提出、弟の反逆には同心しない。後鳥羽上皇挙兵の報に動揺する御家人に対して北条政子は「故右大将(源頼朝)の恩は山よりも高く、海よりも深い」演説『吾妻鏡』
――
後鳥羽上皇と鎌倉幕府との戦い
【承久の乱、天皇家に武家が勝つ、原因】3上皇追放。承久3(1221)年、後鳥羽上皇が鎌倉幕府の最高権力者、北条義時の追討を命じた。承久の乱以後、約650年続く武士の世ができあがる。御家人たちの忠誠の対象は自分たちの利益を守ってくれる頼朝であって朝廷ではない。後鳥羽上皇、19年、島流し、59歳
上皇方が尾張河で幕府軍に敗れると、後鳥羽・土御門(つちみかど)・順徳の3上皇、仲恭 ... 京都では,親幕派の九条兼実一派が宮廷から追放され,古代権力回復を画策する。
【鎌倉幕府、『吾妻鑑』、粛清の嵐、13人の運命】後白河法皇、平清盛、安徳天皇入水、源義朝、源頼朝、源義経、藤原秀衡、藤原泰衡、梶原景時、比企能員、上総広常、源頼家、北条時政、北条義時、実朝「八幡宮大階段」、公暁、北条泰時、後鳥羽上皇「承久の乱」、義時暗殺伊賀氏の変、三浦義村
――
【藤原道長1027年62歳で死去】晩年1027年、後一条天皇に嫁いだ娘の中宮威子が懐妊する慶事(威子は皇女を出産)。同年、三条天皇の皇后・娘の藤原妍子、嘱望されながらも若くして出家した三男の藤原顕信が次次亡くなる
【藤原道長、三后、独占】1018年10月16日。藤原道長は、三女・藤原威子の立后(後一条天皇に入内)の日に「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の欠けたることもなしと思へば」との有名な歌を詠み、道長が三后(皇后・皇太后・太皇太后)をすべて自分の娘で占める【紫式部41歳で死す】式部の娘、賢子83歳で死す。2位、位人臣を極める。
――
展示作品の一部
藤原定家筆「国宝 熊野御幸記」1201年。自ら悪筆と言う【定家様】
藤原定家筆「大嘗会巻」、藤原道長(966~1027)の時代に活躍した藤原実資さねすけ(957~1046)の藤原定家筆日記『小右記しょうゆうき』から長和元年(1012)の大嘗会の記録を定家が筆写したもの、初公開。また、定家の歌切や消息、3幅の藤原定家画像も今回が初公開。【なぜ、定家は、藤原実資『小右記』大嘗会巻を筆写したのか】藤原実資(957-1046)のように、宮廷で立身出世したかった。
以上の作品については、蔵品図録『国宝 熊野御幸記と藤原定家の書』
――
参考文献
「国宝 熊野御幸記と藤原定家の書―茶道具・かるた・歌仙絵とともに―」・・・御子左家の戦い、孤高の詩人、俊成・定家
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/12/post-f78257.html
新古今歌人、乱世に咲く花 美への旅  - 大久保正雄『地中海紀行 旅する哲学者 美への旅』
大久保正雄「旅する哲学者 美への旅」第70回 新古今歌人P32—37
――
藤原定家筆「国宝 熊野御幸記くまのごこうき 」が久方ぶりに全巻披露されます。合わせて館蔵品の中から藤原定家の書を選んで展示されます。なかでも「大嘗会巻だいじょうえかん」は、三井記念美術館では初公開になります。また、定家の歌切うたぎれや消息しょうそく、3幅の藤原定家画像も今回が初公開のものです。年末年始にふさわしく、茶道具やかるた・歌仙絵とともに和歌の世界にも遊べる展示内容となっています。
――
国宝 熊野御幸記と藤原定家の書―茶道具・かるた・歌仙絵とともに―
三井記念美術館(東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階)
会期:12月6日(土)〜2026年2月1日(日)まで開催中

2025年12月15日 (月)

LOVE いとおしい…っ!―鏑木清方の恋もよう、奥村土牛のどうぶつ愛―・・・亡き人恋ふる

Yamatane-2025
Yamatane-kitano-tsunetomi-1913-2025
Yamatane-2025_20251215174201
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第412回
狂言綺語、達磨歌(禅問答のような難解な歌)を歌う、藤原定家でさえ、母、美福門加賀を偲ぶ哀傷歌には、真情が溢れている。
玉響(たまゆら)の露も涙もとどまらず亡き人恋ふる宿の秋風(新古今788)哀傷歌。
 *一一九三年7月二日亡母を偲び詠歌。二月十三日定家母没。
新古今歌人は、鹿を歌った。本阿弥光悦、俵屋宗達『鹿下絵新古今和歌巻』17世紀を思い出す。奥村土牛《鹿》、上村松篁《白孔雀》をみると、亡き母の愛犬、トイプードル、緑紅のダルマインコを思い出す。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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私たちの身の回りには、さまざまな愛の形があります。恋人同士の燃え上がるような愛、親子や夫婦など家族への愛、生まれ育った故郷への愛、身近な動物への慈しみの愛。また、最近よく耳にする「推し活」も、一つの愛の形といえるでしょう。この冬、山種美術館ではLOVEをテーマにした日本の近代・現代絵画を中心に取り上げ、ご紹介する特別展を開催します。
愛といえば、一番に思い浮かぶのが恋愛です。
鏑木清方は近松門左衛門作の浄瑠璃本『冥土の飛脚』に取材し、名品《薄雪》(福富太郎コレクション資料室)で、悲恋の物語を格調高く表しました。
北野恒富《道行》、池田輝方《お夏狂乱》。いずれも悲しいラブストーリーに基づく福富太郎コレクション屈指の名品。(福富太郎コレクション資料室)
家族愛の視点では、愛娘の初節句を祝い描かれた速水御舟《桃花》をはじめ、親子の愛情にあふれる優品が注目されます。
郷土愛の感じられる作品では、川﨑小虎が故郷を夢見る子どもの姿を《ふるさとの夢》に表しました。さらに、「目が楽しいから生きものを描くのが好き」と述べた奥村土牛の《兎》など、画家ならではの動物愛が表現された作品も数多くご紹介します。
冬はクリスマスやお正月、バレンタインデーなどで、親しい人、大切な存在に接する機会もあることでしょう。一年で最も愛が身近となるこの季節に、画家たちが多彩に描いたLOVEの名品をお楽しみください。
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本展のみどころ
みどころ①
「いとおしい…っ!」があふれた近代・現代の画家たちの作品を一挙公開!
恋愛、家族愛、故郷への愛、動物への愛、さらには信仰に基づく愛など、画家たちがさまざまな愛の形を描いた作品を一挙公開します!
奥村土牛《兎》 山種美術館 速水御舟《桃花》 山種美術館
みどころ②
福富太郎コレクション屈指の名品をご紹介!
みどころ③
小林古径の代表作《清姫》の連作全8点を展示!
能や歌舞伎の題材にもなった、道成寺にまつわる安珍清姫の伝説。それに取材した品格あふれる連作で、古径の代表作《清姫》を一堂に展示します!
小林古径《清姫》のうち「寝所」 小林古径《清姫》のうち「日高川」
*上記文中のうち、所蔵先表記のない作品はすべて山種美術館所蔵です。
■展示予定作品
鏑木清方《薄雪》 福富太郎コレクション資料室、 北野恒富《道行》 福富太郎コレクション資料室、 池田輝方《お夏狂乱》 福富太郎コレクション資料室 小林古径《清姫》、 小茂田青樹《愛児座像》、速水御舟《桃花》、川合玉堂《観世大士》、 小山硬《天草(洗礼)》、 奥村土牛《浄心》、 小倉遊亀《憶昔》、川合玉堂《鵜飼》、川﨑小虎《ふるさとの夢》、 横山操《越路十景》、奥村土牛《兎》。上村松篁《白孔雀》、小針あすか《珊瑚の風》他
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参考文献
LOVE いとおしい…っ!―鏑木清方の恋もよう、奥村土牛のどうぶつ愛―・・・亡き人恋ふる
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/12/post-e98dd4.html

没後80年記念「竹内栖鳳」・・・竹内栖鳳「班猫」村上華岳「裸婦図」
https://bit.ly/3TkPJ0z
どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより・・・歌川広重「名所江戸百景」1857
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-f7b3b4.html
犬派?猫派? 俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで・・・遣唐使船で経典を守る猫
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-03c2db.html

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LOVE いとおしい…っ!―鏑木清方の恋もよう、奥村土牛のどうぶつ愛―
https://www.yamatane-museum.jp/exh/2025/love.html

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