ミロ展、シュルレアリスム 夜空に描かれた希望、星座が織りなす詩
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第401回
ミロは、シュールレアリストか、細密画家か、〈星座〉シリーズか、本質の画家か。90歳、名声に包まれた画家の本質は何か。
ジュアン・ミロ(1893~1983年)は、1893年スペイン、カタルーニャ州に生まれた同郷のピカソと並び20世紀を代表する巨匠。
太陽や星、月など自然の中にある形を象徴的な記号に変えた、詩情あふれる独特な画風、晩年、日本と交流、日本でも高い人気を誇る。
ミロの70年に及ぶ創作活動全体を振り返る大回顧展「ミロ展」。〈星座〉シリーズをはじめ、世界中から傑作が集結、ミロの芸術の真髄を体感できる大回顧展。
ミロの生涯を振り返る大規模な個展が日本で開催されるのは、画家が存命中の1966年に開催されて以来となる。没後40年を迎え、ミロの創作活動が再評価されている今、本展は改めてミロの業績を顧みる機会となる。また、困難な時代のなかで自由な表現を希求し続けたミロの足跡をたどることは、政治的分断や戦争の脅威が高まる今日、見る者にとって示唆に富む。
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上智と下愚は移らず。論語、陽貨篇
【権威の化けの皮が剝がれる】あなたが信じた人の豹変を、何人、見たか。【化けの皮】【面が割れる】先生と対面していると、面が割れて、中から蜥蜴が出てきた。【信じていた女の化けの皮が剝がれる】女は化け猫【信じていた人の化けの皮が剝がれる】中から蛇、蜥蜴、蛙、豚、蛇蝎、猫、虎、魔物が出てくる。【宝誌和尚立像】
知識人の化けの皮【人の命令で動く、点燈夫】【ルーティン教授】【我が道を行く】【ライオンだと思っているがただの猫】【王の中の王King of Kings】【闇に潜む棺桶教授】
【上智と下愚とは移らず】最上の知者は悪い境遇にあっても下落せず、最下の愚者は 、どんなによい境遇にあっても向上しない。どんなに地位と肩書が高くて富裕でも、知性の貧困は隠せない。地位と肩書が高く高度な職業でも、魂の貧困は隠せない。「論語」陽貨篇。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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参考文献
ダリ『記憶の固執』、『記憶の固執の崩壊』・・・スペインの荒涼とした大地、記憶の迷路
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シュルレアリスムの夢と美女、藝術家と運命の女
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生誕120 周年サルバドール・ダリ―天才の秘密―・・・魔術的写実主義、ヴィーナスの夢
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デ・キリコ、形而上絵画の謎・・・形而上絵画と古典絵画を往還する
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ミロ展、シュルレアリスム 夜空に描かれた希望、星座が織りなす詩
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ミロ、生涯と作品
第1章 若きミロ:芸術への決意 モンロッチ村からパリ 1910-1920
1893年にバルセロナで生まれたミロは、父親の強い希望もあって1910年に会計の仕事に就く。
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