どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより・・・歌川広重「名所江戸百景」1857
大紫躑躅、八重桜咲く。桜吹雪舞う、海より深い母の恩、母の愛犬、トイプードル、守護精霊となって帰ってきた。学問僧を守るために。
ウィリアム・モース(1838-1925)は「人力車に乗っている間に、車夫が如何に注意深く道路にいる猫や犬や鶏を避けているかに気が付いた。」小山周子、江戸東京博物館学芸員は江戸の人々と動物の風景についてモースのエピソードによって説明する。
歌川広重は60歳の時「名所江戸百景」安政4年(1857)を描き、猫、鷹、鶴、亀、狐、馬、鯉のぼりをクローズアップしている。
西洋の旅行会社のポスターの手法である。広重は35歳の時、北斎『富嶽三十六景』に出会い、火消同心を辞し、絵師に専心する。
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【師を選ぶ、学ぶことは重要だが、最も重要なのは先生の質である】師が優れているか否かが最も重要【学びの違い】学校、大学では先生を選べない【先生が持っている世界観、基礎認知力、持っている体系】【知的卓越性とともに人格の卓越性をもつ人は稀である】卓越性には2種類ある『ニコマコス倫理学』
人生の目的は、品性を完成するにあり。地位と金銭を得るに非ず。人もし全世界を得るとも、その霊魂を失えば何の益あらん。自己に頼るべし。他人に頼るべからず。能く天の命に聴いて行うべし、神人合一の境地に到達すべし。誠実によりて得たる信用は最大の財産なり。成功本位の立身出世主義に従うべからず。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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人生の目的は、品性を完成するにあり。地位と金銭を得るに非ず。人もし全世界を得るとも、その霊魂を失えば何の益あらん。自己に頼るべし。他人に頼るべからず。能く天の命に聴いて行うべし、自ら己の運命を作らんと欲すべからず。誠実によりて得たる信用は最大の財産なり。成功本位の米国主義に倣うべからず、誠実本位の日本主義に徹すべし。自己に頼るべし。他人に頼るべからず。内村鑑三「軽井沢星野温泉二代目旅館社長に贈った商売10箇条」
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歌川 広重(寛政9年(1797年) - 安政5年9月6日(1858年10月12日)幼いころからの絵心が勝り、文化8年(1811年)15歳のころ、初代歌川豊国の門に入ろうとした。しかし、門生満員で断られ、歌川豊広(1774年-1829年)に入門。翌年(1812年)に師と自分から一文字ずつとって歌川広重の名を与えられ、文政元年(1818年)に一遊斎の号を使用してデビュー。文政4年(1821年)、同じ火消同心の岡部弥左衛門の娘と結婚した。天保3年 (1832)、仲次郎が17歳で元服したので正式に同心職を譲り、絵師に専心する。一立齋(いちりゅうさい)と号を改めた。翌天保4年 (1833年)から「東海道五十三次」を発表。風景画家としての名声は決定的なものとなった。『名所江戸百景』(1856 - 1859)、竪大判で120枚揃物。
【葛飾北斎、冨嶽三十六景】冨嶽三十六景、1831-34年(天保2-5年)版行。全46図。大判錦絵、版元は西村屋与八(永寿堂)。最初に36図が完成し、後に10図が追加出版。苦節50年、72歳『冨嶽三十六景』『神奈川沖浪裏』(1831)。富嶽百景
【歌川広重】火消同心。天保3年 (1832)35歳絵師に専心。35歳で北斎『富嶽三十六景』に出会い、『東海道五拾三次』天保5~7(1834~36)年を描く。20年後晩年60歳で「名所江戸百景」安政4年(1857)を描く。『不二三十六景』(1852)「富士見百図」「富士三十六景」(1859)、竪大判で37枚揃物。最後まで富士を描き続ける。61歳で死す。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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展示作品の一部
歌川広重《名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣》1857(安政4)年、東京都江戸東京博物館
歌川広重《名所江戸百景 深川洲崎十万坪》1857(安政4)年、東京都江戸東京博物館
月岡芳年《風俗三十二相 うるささう 寛政年間処女之風俗》1888(明治21)年、東京都江戸東京博物館
歌川豊国《しか茶屋》1792-93(寛政4-5)年頃、東京都江戸東京博物館[5/26まで展示]
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参考文献
「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」・・・冨嶽三十六景46図と広重「名所江戸百景」
「大浮世絵展」・・・反骨の絵師、歌麿。不朽の名作『名所江戸百景』、奇想の絵師
どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより・・・歌川広重「名所江戸百景」1857
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本展は、2022年にパリ日本文化会館(フランス)で好評を博した「いきもの:江戸東京 動物たちとの暮らし」展を拡充した凱旋帰国展です。画巻、錦絵、装飾品、郷土玩具などに登場する動物たちの多様な姿をお楽しみください。
1603(慶長8)年、江戸に幕府が置かれ、街並みが整備されていきます。街では人々がネコや犬を可愛がり、時にゾウの見世物が話題となり、ウズラの声を競う会が催され、ウサギの飼育ブームが起きました。また、人々は郊外に出かけて野生の鳥の姿や虫の音に季節を感じたものでした。いまはむかし、一大都市となった江戸や東京における、動物と人々との関係を探ります。
1877(明治10)年に来日した米国の動物学者、エドワード・S.モースは、日本人が動物に対して親切に接することに驚きました。動物の名に「さん」づけをして親しみを込めて呼び、人力車の車夫は道に居座る犬やネコを避けて走っていると記しています。
洗練されたデザイン/素朴なかたち
壮大な狩猟の記録画、広重や国芳ら人気浮世絵師による錦絵など、多くの絵に動物たちは登場しています。さらに、動物たちのイメージはデザインモチーフへと昇華し、温かみのある郷土玩具や、精巧な工芸品にも用いられるようになりました。巨大都市における動物は、共生するだけでなく、さまざまに表現されて人々の生活を彩ったのです。
江戸東京博物館から選りすぐりの作品が大集結!
大規模改修工事のために休館中の江戸東京博物館。その収蔵品は61万点にも及びます。本展では膨大な収蔵品のなかから、浮世絵、工芸品、染織などをテーマ毎に展示し、江戸・東京において人々が動物をどのようにとらえ、表現していたのかを俯瞰します。最新の調査研究と初公開作品を含む充実した作品群をご紹介します。
東京会場だけの特別展示:東京の鉄道馬車
1882(明治15)年から1903(明治36)年まで、東京の大通りではレールの上を馬車が走っていました。「東京馬車鉄道」は、最盛期には300両の車両と2000頭の馬を擁していたといい、都市の交通を鉄道馬車も支えていたことがうかがえます。鉄道馬車の開業を知らせる華やかな錦絵3枚続、名所絵、玩具絵など、当時の版画を展示します。
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動物百景、東京ステーションギャラリー、2024年4月27日(土)〜2024年6月23日(日)
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