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2024年1月の記事

2024年1月28日 (日)

「中尊寺金色堂」・・・魔界の入口、中尊寺金色堂の謎

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第356回
美術探訪、美への巡礼。特別展「中尊寺金色堂」大久保正雄
金色堂の須弥壇に、阿弥陀三尊像(阿弥陀如来、脇侍に観音・勢至菩薩)、更に六体の地蔵菩薩、そして持国天、増長天が祀られている。この像容は、他に例が無く珍しい配置。吾妻鏡9巻(1189年)にこの像容の記載がある。国宝11体展示される。
魔界の入口【中尊寺金色堂の謎】藤原清衡は金色堂にどのような祈りをこめたのか。どのような一族の運命を願ったのか。中尊寺金色堂の原型は何か。藤原頼通は、平等院鳳凰堂に地上の極楽浄土を願った。なぜ今も千年前の姿をとどめるのか。宇治殿別荘、源融、藤原道長、紫式部は宇治に何を夢見たのか。紫式部は夢の果てに何を見出したのか。阿弥陀如来の極楽浄土の根拠はどこにあるのか。『仏説無量寿経』の根拠は何か。
【奥州藤原氏の悲劇】清衡は、一族繁栄、極楽浄土を願ったが、泰衡は源頼朝の罠にかかり一族滅亡。藤原清衡、基衡、秀衡、泰衡。三代秀衡(∸1187)は毛越寺を復興、社堂坊舎を増築し、堂搭四十余宇、僧坊五百余宇「吾妻鏡」。文治3(1187)年、頼朝の弟である義経が追放されて奥州へ落ち延び、秀衡のもとに身を寄せる。秀衡は息子たちに「義経を大将軍として仕え、奥州を守れ」と告げ、兄弟が争わないように取り計らうが亡くなる。だが側室から生まれた国衡と泰衡は対立。文治4(1188)年、義経の奥州潜伏が発覚、頼朝は泰衡たちへ義経討伐の命を何度も要請。泰衡は義経一行を攻め、自害に追いつめる。それにもかかわらず頼朝は全国の武士へ奥州攻め、泰衡は殺され、権勢を誇った奥州藤原氏四代は滅亡。
【藤原清衡、中尊寺金色堂】奥州藤原氏初代藤原清衡が天治元年(1124年)に建立、平等院鳳凰堂と共に平安時代の浄土教建築の代表例。「金色堂 上下四壁は皆金色なり」『吾妻鏡』【阿弥陀三尊像】中央壇、右壇、左壇共に阿弥陀三尊像(阿弥陀如来坐像、観音菩薩立像、勢至菩薩立像)を中心に、左右に3躯ずつ計6躯の地蔵菩薩立像(六地蔵)、手前に二天像(持国天、増長天)を配し、以上11躯の仏像から構成される群像を安置。中央壇の阿弥陀如来像は丸顔で典型的な定朝様であり、定朝から3代目の円勢などの円派仏師の作風に通ずる12世紀前半の制作。
【平等院鳳凰堂】平安後期1052年、最大権力者であった関白・藤原頼通が父・藤原道長から継いだ別荘を仏寺に改めた『平等院』。そして翌1053年、当時最高技術を誇る仏師・定朝が造り上げた『阿弥陀如来坐像』を堂内に安置した『鳳凰堂』(阿弥陀堂)が完成した。国宝『鳳凰堂』は、摂関時代(平安中期)の建築を知ることができる藝術、堂内には金色の『阿弥陀如来坐像』が安置され、壁に『九品来迎図』や『極楽浄土図』が描かれ、建物内に優美な世界観が広がる。末法思想が貴族や僧侶らの間で広まり、1052年から末法になると信じられていた。死後に極楽往生を願う浄土信仰が広く浸透、南無阿弥陀仏を唱え阿弥陀如来を信仰すれば極楽浄土に行けると信じ、各地に阿弥陀堂が造られた。
【宇治別邸、源融】宇治の地は859年(貞観元年)第52代・嵯峨天皇の皇子である左大臣・源融が造営した別荘の地。第59代・宇多天皇、宇多天皇の孫、藤原頼通の父、藤原道長が源重信の婦人から譲り受け別荘「宇治殿」を創った。【紫式部『源氏物語』宇治十帖】光源氏のモデルは、源融と藤原道長。紫式部は、源融に憧れ、藤原道長の召人、中宮彰子の家庭教師。1001年(長保3)夏に宣孝が死に、1001年の秋ごろから『源氏物語』を書き始めた。1005年(寛弘2)ごろ年末に一条天皇の中宮彰子のもとに出仕。はじめ〈藤式部〉やがて〈紫式部〉と呼ばれる。紫式部の二百年後、『新古今和歌集』春の夜の夢の浮橋の歌がある。
【春の夜の夢の浮橋】「春の夜の夢の浮橋と絶えして嶺に別るる横雲の空」藤原定家、三十七歳の作である(建久八年(1197)12月5日、仁和寺守覚法親王五十首歌会)。春の夜の夢、たなびく曇が別れる空、実らぬ愛、魂の夢の浮橋。夢の浮橋とは『源氏物語』五十四帖の最終巻の巻名。見果てぬ夢のごとく、愛し合った男女、薫と浮舟が別れたまま終わる。【見果てぬ愛は、永遠に美しい】実らない愛は永遠に輝いている。定家は式子内親王と禁断の恋をし、逢ひて逢はぬ恋になる。「玉の緒よ絶えなば絶えね、ながらへば忍ぶることのよわりもぞする」式子内親王。わたしの命よ。絶えてしまうというなら絶えてしまえ。生きつづけていたならば、恋心を秘めておくことができないから。
【浄土教、大乗仏教はファンタジー】浄土教の根拠は『仏説無量寿経』である。だが、ゴータマ・ブッダが説いたものではないことは言うまでもない。1世紀に仏典作者が創作した。『仏説無量寿経』。説法の舞台は王舎城(ラージャグリハ)耆闍崛山(ぎじゃくっせん)、ある国の王が世自在王仏の説法を聞いて、王位を捨てて出家し、法蔵菩薩となり、五劫という長い間思惟して、無量の寿、無量の光をもつ阿弥陀浄土に生まれたいと願い、この第十八願を「本願」、すべての人びとを信心と念仏によって救う本願こそ、浄土教の教えの根本。法蔵菩薩は願いを実現するために、兆載永劫果てしなく長い間修行を重ね、阿弥陀如来となった。
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著者 大久保正雄 プラトン哲学、美学、密教の比較宗教学、宗教図像学。著書『ことばによる戦いの歴史としての哲学史』理想社。上智大学大学院、北海道大学大学院博士後期課程修了。
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「建立900年 特別展 中尊寺金色堂」
会場:東京国立博物館 本館特別5室 会期: 2024年1月23日(火)~4月14日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 :月曜日、2月13日(火)※ただし、2月12日(月・休)、3月25日(月)は開館
問い合わせ先 050-5541-8600(ハローダイヤル)
詳しくは東京国立博物館公式サイト https://www.tnm.jp/
★★★★★
参考文献
末木文美土『日本仏教史 思想史としてのアプローチ』新潮社1992
末木文美土『仏典を読む 死から始まる仏教史』新潮社2009
「法然と親鸞 ゆかりの名宝」東京国立博物館・・・宗教は麻薬
「空也上人と六波羅蜜寺」・・・亡き人を想う、生死の境、南無阿弥陀仏
親鸞聖人生誕850年特別展 親鸞—生涯と名宝・・・西方浄土、阿弥陀如来の本願、『歎異抄』善人なほもて往生をとぐ
「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」・・・源氏物語の謎
「中尊寺金色堂」・・・魔界の入口、中尊寺金色堂の謎
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2024年1月22日 (月)

美術館スケジュール2024年・・・旅する哲学者、美への旅

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第355回
【理念を追求する精神】邪知暴虐な権力と戦い、この世の闇の彼方に理想と美を求める。輝く天の仕事を成し遂げる。空海、孔子、織田信長、李白、プラトン。即身成仏、忠恕、仁義礼智信、武の七徳、桃花流水杳然去、美の海の彼方の美のイデア、存在の彼方の善のイデア。
【理念を追求する精神】空海は理念を探求して旅した。空海の24歳の苦悩は『聾瞽指帰』に刻まれている。空海、ロレンツォ・デ・メディチ、プラトン、玄奘三蔵、李白、王羲之、嵯峨天皇、ソクラテス、理念に向かって、旅した人。理念を追求する人は、この世の闇の彼方に美を求める。
【五百年先の利益を考える人】天下人か聖人、空海、嵯峨天皇、織田信長【目先の利益を考える人】忖度官僚、忖度教授、家康、親鸞、儒者、御用学者、社畜、カネに汚い女【20年先の利益を考える人】大谷翔平、栗山英樹【千年先の利益を考える】神々【ソクラテス】魂ができる限り善きものになるように配慮しなければならない。」(『ソクラテスの弁明』29d-e)
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【空海『聾瞽指帰』(797)】兎角公の屋敷で兎角公の甥蛭牙公子に放蕩青年を翻意、亀毛先生は儒教学問を学び立身出世することを教え、虚亡隠子は道教の不老長寿を教え、空海の化身である仮名乞児は仏教の諸行無常と慈悲を教える。空海が大学寮明経科退学、官僚の立身出世を辞す。【『三教指帰』】「本書は3つの宗教を比較し、空海自身と宗教との関係について考察している、日本における宗教学の先駆け。比較宗教学」島薗進
【星の王子さま、6つの星】命令する王様、探検家の報告を利用する地理学者、カネを数える実業屋、酒に溺れる飲んだくれ、自慢に溺れる自惚れ屋、日常業務に邁進する点燈夫。偏奇な星の主たち。【星の王子さま】7番目の星地球は、111人の王様 、7千人の地理学者 90万人の実業屋 、750万人の飲んだくれ、3億1100万人のうぬぼれ、かれこれ20億人の大人が住んでいる
【カネと地位で買えない価値】富とは、お金で買えないものをどのくらい持っているかである。お金で家は買えるけれど家庭は買えない。お金で学校は買えるけれど学問は買えない。知性は買えない。お金で地位は買えるけれど人格は買えない。魂の価値は買えない。
【ファシズム倫理学、神の代理人、命令で動く体系】「汝の意志の格率が常に同時に普遍的な立法の原理として妥当するように行為せよ」定言命法、第一の定式「汝の人格と他者の人格の内なる人間性を手段としてのみではなく常に同時に目的として扱うように行為せよ」定言命法、第二の定式 カント『純粋理性批判』『道徳形而上学原論』
空海は、何故、不空『理趣釈経』を最澄に借覧拒否したのか。
不空『理趣釈経』【『般若理趣経』第三段】「金剛手よ、もしこの理趣を聞きて受持し読誦することあらば、たとひ三界の一切の有情を害すも悪趣に堕せず」不空訳『理趣釈』において三界の衆生とは三毒の煩悩と注釈されている。天人は三悪趣*と戦う。(地獄・餓鬼・畜生)。三悪趣、空海『秘密曼荼羅十住心論』第一住心。
【空海、聖なるものは悪を滅ぼす】空海は三界の衆生を害することとは三界の無明を断じることに他ならないとしている。*三毒。貪欲・瞋恚・愚痴。貪瞋痴。
空海【聖なる者は悪を滅ぼす】『理趣経』「第三段」の教説に関して不空訳『理趣釈』において三界の衆生とは三毒の煩悩と注釈されているが、当該注釈の方向性は空海にも継承され、空海は三界の衆生を害することとは三界の無明を断じることに他ならないとしている。*三毒。貪欲・瞋恚・愚痴。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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1月
特別展「本阿弥光悦の大宇宙」、東京国立博物館、1月16日(火)~3月10日(日)
建立900年 特別展 中尊寺金色堂」、東京国立博物館 本館特別5室、2024年1月23日(火)~4月14日(日)
『サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展』、千葉市美術館、1月6日(土)~3月3日(日)
「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美」泉屋博古館東京、1月20日(土)〜2月25日(日)
水木しげる生誕 100周年記念、水木しげるの妖怪 百鬼夜行展、横浜そごう美術館、
~お化けたちはこうして生まれた~、2024年1月20日(土)〜3月10日(日)
印象派 モネからアメリカへ、ウスター美術館所蔵、東京都美術館、1月27日(土)〜4月7日(日)
「四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎」サントリー美術館、1月31日(水)~3月24日(日)
「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」「麻布台ヒルズギャラリー」2023年11月24日(金)から2024年3月31日(日)、開館記念展
2月
ムットーニワールド からくりシアターⅤ、八王子市夢美術館、2月3日(土)〜2024年3月24日(日)
中平卓馬 火―氾濫、東京国立近代美術館、2月6日~4月7日
池大雅ー陽光の山水、出光美術館、2月10日~3月24日
マティス 自由なフォルム、国立新美術館、2月14日(水)~5月27日(月)
美術家たちの沿線物語 小田急線篇、世田谷美術館、2月17日(土)〜4月7日(日)
山種美術館 日本画アワード 2024 ― 未来をになう日本画新世代 ―、2月17日(土)~3月3日(日)
「生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真」、東京ステーションギャラリー、2月23日(金・祝)~4月14日(日)
3月
『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本、板橋区立美術館、2024年3月2日(土曜日)〜4月14日(日曜日)
遠距離現在 Universal / Remote、国立新美術館、 3月6日(水)〜6月3日(月)
「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」、3月12日(火)〜5月12日(日)
「花・flower・華 2024 ─奥村土牛の桜・福田平八郎の牡丹・梅原龍三郎のばら─」、山種美術館、3月9日(土)か〜5月6日(月・振)
第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」(横浜美術館)3月15日~6月9日
ライトアップ木島櫻谷、泉屋博古館東京)3月16日~5月12日(日)
MUCA森アーツセンターギャラリー、3月15日[金]〜6月2日[日]
特別展「大哺乳類展3-わけてつなげて大行進」、国立科学博物館、3月16日(土)~6月16日(日)
「大吉原展」東京藝術大学大学美術館3月26日〜5月19日
ブランクーシ 本質を象る、アーティゾン美術館、3月30日(土)〜2024年7月7日(日)
4月
特別展「法然と極楽浄土」、東京国立博物館、4月16日(火)~ 6月9日(日)
デ・キリコ展、東京都美術館、4月27日(土)~8月29日(木)
「空海 KŪKAI ― 密教のルーツとマンダラ世界」奈良国立博物館、4月13日~6月9日
雪舟伝説-「画聖(カリスマ)」の誕生-、京都国立博物館、4月13日~5月26日
「画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎」(静嘉堂@丸の内)4月13日~
5月
「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」東京国立近代美術館、5月21日~ (大阪中之島美術館)9月14日~
6月
石川九楊大全、上野の森美術館)6月8日~
7月
「徳川美術館展 尾張徳川家の至宝」、サントリー美術館、7月3日~9月1日
「ポール・マッカートニー写真展1963-64~Eyes of the Storm~」東京シティビュー、7月~9月
空間と作品、アーティゾン美術館、7月27日~10月14日
「美麗なるほとけ、根津美術館、7月27日~
8月
「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」、東京都現代美術館、8月3日(土) ~11月10日(日)
9月
「没後300年記念 英一蝶(仮)」、サントリー美術館、9月18日~11月10日
田中一村展 奄美の光 魂の絵画、東京都美術館、9月19日(木)~12月1日(日)
10月
モネ 睡蓮のとき、国立西洋美術館、2024年10月5日(土)〜2025年2月11日(火・祝)
「織田信長文書の世界(仮)」(東京・永青文庫)10月5日~
特別展「はにわ」(東京国立博物館)10月16日~(九州国立博物館)2025年
11月
「トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル(仮)」(東京・三菱一号館美術館)11月23日~
12月
「坂本龍一展(仮)」(東京都現代美術館)12月21日~
英英紅綠 第49回 白日会会員選抜展、日本橋三越6階、美術特選画廊、12月18日(水)〜12月23日(月)
英英紅緑展、山本大貴『十六夜』8号、130万円、1982生まれ。松林淳『装う』6号17万円、1962年生まれ。岩本将弥『葵時雨』6号17万円、1992年生まれ。
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2023年、美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-e79299.html
2024 長楽万年 蘇る不滅の精神 美への旅
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美術館スケジュール2024年・・・旅する哲学者、美への旅
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2024年1月 1日 (月)

2024 長楽万年 蘇る不滅の精神 美への旅

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第354回
【理念を追求する精神】理念を探求する人は、邪知暴虐な権力と戦い、この世の闇の彼方に理想と美を求める。輝く天の仕事を成し遂げる。空海、孔子、織田信長、李白、プラトン。即身成仏、忠恕、仁義礼智信、武の七徳、桃花流水杳然去、美の海の彼方の美のイデア、存在の彼方の善のイデア。
【理念を追求する精神】空海は理念を探求して旅した。空海の24歳の苦悩は『聾瞽指帰』に刻まれている。空海、ロレンツォ・デ・メディチ、プラトン、玄奘三蔵、李白、王羲之、嵯峨天皇、ソクラテス、理念に向かって、旅した人。理念を追求する人は、この世の闇の彼方に美を求める。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
フランソワ・ジェラール『アモルとプシュケ』1798年
プシュケはある王国の三女であったが 、プシュケはあまりの美貌ゆえに求婚するものが現れず、神託により人身御供に捧げられた。ヴィーナスが美しさに嫉妬して遣わした息子アモルは見惚れる。自分の矢で傷つき、アモルによって天上の宮殿に略奪された。アモルを見ることを禁じられたプシュケは、アモルの姿をある夜、見てしまい、アモルを探し求めて世界中を彷徨う。ヴィーナスに4つの苦難を与えられたプシュケ。
【最後の難題は、冥界の女王ペルセポネから、美の函を地獄から持ち帰ること】プシュケはほとんど地上まで持ち帰るが、好奇心に勝てず、開けてしまう。しかしその函には、美のかわりに深い眠りが入っていて、プシュケは深い眠りにつく。プシュケは第4の苦難を解き、他方、アモルはプシュケを探している。眠っているプシュケを見つけ、その矢でついて目覚めさせる。プシュケは、アモルと天上界で結ばれる。
ルーヴル美術館、愛を描く・・・愛の絵画、愛と美の迷宮
蔵書数万冊の整理、論文、著作計画の完遂、取材、執筆活動の遂行。プラトンのように死ぬまで書いて行きたいと思います。
アグリジェントの神殿の谷、海の見える丘に聳えるコンコルディア神殿、神殿群、海の彼方に沈む夕日、撮影に行きたいと思います。
――
1、美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。美しい魂は、輝く天の仕事をなし遂げる。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。永遠を旅する哲学者は、時を超えて、理念を追求する。美のイデアへの旅。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
2、
【理念と現実の一致】思想家は、理念を現実において成就することを追求する。プラトン哲学は、国家において知恵が実現することを追求する。空海は、即身成仏を追求する。
3、
【聖なるもの、悪霊調伏】不空『理趣釈経』【『般若理趣経』第三段】「金剛手よ、もしこの理趣を聞きて受持し読誦することあらば、たとひ三界の一切の有情を害すも悪趣に堕せず」天人は三悪趣*と戦う。(地獄・餓鬼・畜生)【空海、聖なるものは悪を滅ぼす】空海は三界の衆生を害することとは三界の無明を断じることに他ならないとしている。*三毒。貪欲・瞋恚・愚痴。貪瞋痴。
4、
【愛と復讐の叙事詩】アレクサンドロス大王、父フィリッポス2世を暗殺。クレオパトラ7世、弟プトレマイオス14世を暗殺。プロイセンのフリードリッヒ大王、織田信長、偉大な人生は、復讐から始まる。絶望に立ち向かう。絶望を超えて、復讐を果たし、天の仕事を成し遂げる。
【偉大なる王の死】アレクサンドロス3世、33歳。ダレイオス1世66歳。ダレイオス3世60歳。ラムセス2世92歳、子供100人を残す。ハトシャプスト女王49歳。アクエンアテン王29歳。ツタンカーメン18歳。アンケセナーメン27歳。美しきネフェルティティ63歳。絶対権力者が手に入れられない4つの秘宝がある。
5、
【理念を探求する精神、美と復讐の精神史】ソクラテス、紀元前399年70歳。プラトン紀元前347年74歳。空海835年61歳。李白 762年61歳。孔子紀元前479年74歳。織田信長1582年49歳。アレクサンドロス大王紀元前323年33歳。嵯峨天皇842年56歳
【思想家の死、詩人の死、藝術家の死】ソクラテス、紀元前399年70歳。プラトン紀元前347年80歳。アリストテレス紀元前322年62歳。孔子紀元前479年74歳。空海835年61歳。藤原定家1241年79歳。李白 762年61歳。北斎1849年90歳。
6、
【東西文化交渉史】ミケーネ文明、ミノア文明とトロイア文明を滅ぼす。ギリシア美術、紀元前5-4世紀、最盛期、BC334アレクサンドロス大王の遠征、ペルシア帝国征服、インド遠征、ガンダーラ美術、ペルガモン王国誕生、シルクロード経由、7世紀北魏南梁から飛鳥彫刻、8世紀天平彫刻、9世紀、弘仁貞観、密教美術、12世紀、運慶彫刻
7、
【六道輪廻と六観音菩薩】如意輪観音菩薩、天道の天人を救う。聖観音菩薩、地獄道の者を救う。千手観音菩薩、飢えと渇きの餓鬼道の者を救う。馬頭観音菩薩、動物の弱肉強食の畜生道の者を救う。十一面観音菩薩、怒りと争いの修羅道の者を救う。准胝観音菩薩(不空羂索観音菩薩)、人道の者を救う。
8、
【人生の舞台、16の性格】外交官グループ、提唱者、仲介者、主唱者、広報運動家。番人グループ、管理者、擁護者、幹部、領事官。探検隊グループ、巨匠、冒険家、起業家、エンターテイナー。分析家グループ、建築家、論理学者、指揮官、討論者。人生の舞台、必殺技をどう披露するか。卓越した技、強み弱み、どう発揮する。織田信長は、明晰透徹な指揮官、武の七徳を探求する。
――
参考文献
大久保正雄「ルネサンス、メディチ家と織田信長」
https://t.co/J6q12oMYUX
織田信長、天の理念のための戦い。徳姫の戦い・・・愛と美と復讐
https://bit.ly/3MGfJAS
織田信長、理念を探求する精神・・・美と復讐
https://bit.ly/3ryn9gI
旅する思想家、孔子、王羲之、空海と嵯峨天皇
https://bit.ly/2zsD05T
密教経典『理趣経』・・・空海と金剛界曼荼羅
https://bit.ly/2H2diKc
旅する哲学者、ソクラテスの戦い ソクラテスの祈り
https://t.co/gW05rsb44i
理念を探求する精神・・・ギリシアの理想、知恵、勇気、節制、正義、美と復讐
https://bit.ly/3sIf3RW
大久保 正雄『ことばによる戦いの歴史としての哲学史 理性の微笑み』 理想社
https://bit.ly/3qv01OA
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宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長
https://bit.ly/3Tcilcj
ツタンカーメン発掘100年・・・古代エジプトの王と王妃と女王
https://bit.ly/3usmqyp
2023年、美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-e79299.html
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新古典主義、ダヴィッドと弟子たち・・・「ソクラテスの死」「アモルとプシュケ」
https://bit.ly/40uIiI2
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仏教史、哲学史
仏教2500年の旅 仏陀入滅、アレクサンドロス大王、瑜伽行唯識学派、密教
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/08/post-d241f1.html
運慶の旅、金剛界、大日如来・・・東寺講堂、円城寺、光得寺、彼方へ
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-f2daa5.html
プラトン哲学の戦い アカデメイア派対ペリパトス派、ローマ帝国、普遍論争、ルネサンス、フランス革命
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-83ae10.html
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2024 長楽万年 蘇る不滅の精神 美への旅
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フランソワ・ジェラール『アモールとプシュケ』1798
ボッティチェリ『マニフィカートの聖母』
ツタンカーメン黄金のマスク
ミケランジェロ『ウルビーノ公ロレンツォ・デ・メディチ』
東寺『インドラ天』9世紀、運慶『大日如来』 建久4(1193)年

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