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2022年1月30日 (日)

白井晟一・・・孤立の城、荒野の礼拝堂、ロマン主義建築家の反逆

Shiraiseiichi-2020
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Shiraiseiichi-2021
Shiraiseiichi-2010
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』268回

私は、学生時代、白井晟一の建築《親和銀行本店》、白井晟一著『無窓』に出会い、その意味について考えてきた。
私は世界の建築を旅した。偉大な建築家とは、フェイディアス、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、アントニ・ガウディ、等である。偉大な建築家は、成果主義、競争主義の社会に反抗する古典主義、ロマン主義である。
白井晟一の建築は、モダニズムに対立するロマン主義建築である。経済至上効率優先の近代主義に対立するロマン主義である。成果主義、競争主義の現代社会に反抗するロマン主義。中世の礼拝堂のドーム、ノアの箱舟のような建築である。天への意志、孤独、理性の苦悩、理想と現実との戦い、絶望の荒野、崇高な者への尊敬、崇高な美、精神の孤立、哲学者の洞窟、荒野の礼拝堂、氷の海、断崖に建つ寺院、を表現していると私は思う。
ロマン主義藝術家とは、ウィリアム・ブレイク、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、ギュスターヴ・モロー、アンチリアリズムの藝術家である。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【魅力的な建築家】魅力的な建築の建築家はだれか。フェイディアス、アントニ・ガウディ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、黒川紀章、白井晟一、丹下健三、村野藤吾、吉田五十八、堀口捨巳、谷口吉郎、
安藤忠雄、隈研吾、菊竹清訓、ザヒ・ハディド、梵寿綱。
――
建築家・白井晟一(1905~83)。京都で生まれ、独創的なスタイルの建築から「哲学の建築家」と評された1905年に京都に生まれた白井は、正規の建築教育を受けていないとされており、独学の建築家とも称されてきた。しかし、学んでいた京都高等工芸学校の図案科では近代建築のパイオニアである本野精吾が教鞭をとっており、その前任者も建築家・武田五一であった。
欧州留学時代の白井と、作家・林芙美子がパリで出会ったのは有名なエピソード。貴公子のような若き白井に恋する林、かたや社会主義思想に夢中で、ソビエト旅行を企てていた白井。「白井君」が登場する林の『パリ日記』。
《親和銀行本店》
長崎の《親和銀行本店》(現・十八親和銀行佐世保営業部)。商店街に建つ、ふたつの巨大な量塊、まるで隕石かノアの箱舟のようである。何気ない日常風景の中に、全く別の時間的・空間的な位相が差し込まれている。事実に圧倒される。
《親和銀行東京支店》
「親和銀行東京支店」、銀座の三原橋にあった建築は、ボリュームのある基壇と上部にまっすぐ伸びていく上部で構成されており、「ノアビル」などにも共通する意匠がみられる。銀行の店舗ながらも、内部は礼拝堂のような雰囲気で、都心の一角にありながらも内部は非常に静かだったと伝えられる。
秋田県湯沢市「稲住温泉」は、武者小路実篤も通った由緒ある旅館。白井晟一設計の「離れ」《嵐亭》《漣亭》《杉亭》は白井氏の設計を残しながら快適な滞在ができるようにリノベーションされている。3部屋どれもが個性的。
《滴々居》
伝説的な自邸《滴々居》(1951~67)の前の白井晟一、裸電球がぶら下がり、表札は荒壁に直書き。トイレはなく、途中まで屋根が未完で雨が滴り落ちるので「滴々」居―このミニマルの極みの生活から数々の壮大な建築案は生まれた。
《虚白庵》
晩年の白井は前の自邸《滴々居》とはうって変わり、重厚な《虚白庵》で昼夜逆転の生活を送った。内部は壮麗な闇の空間で、手探りで進む来訪者が思わずつまずくと、奥の書斎机の灯に浮かぶ白井晟一は、神秘的にふふっと笑う、勝負アリだった、という証言を聞いた。
《原爆堂計画から松濤美術館》
50年代の「原爆堂計画」から80年代の松濤美術館と芹沢銈介美術館まで、白井晟一は30年以上にわたり多くの美術館を計画しました。その中でも、1975年に構想された「大村道場計画」の美しさ。白井晟一が、自身のために設計した私設の展示施設である。
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白井晟一、作品の一部
白井の代表的建築である港区麻布台にある「ノアビル」。
未完の建築「原爆堂」1954年頃に、丸木位里・俊夫妻による《原爆の図》を展示するために計画。主室が水上に浮かび、地下を経由してギャラリーやホールにつながる独特の構造
70年代より白井は大規模建築を手がけるようになった。
白井を代表する建築
「親和銀行東京支店」東京・銀座の三原橋
「親和銀行本店」(現・十八親和銀行佐世保営業部)佐世保
「渋谷区立松濤美術館」1981
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■参考文献
「白井晟一 入門」渋谷区立松濤美術館 開館40周年記念「白井晟一 入門」
第1部 白井晟一クロニクル 会期:2021年10月23日~12月12日
第2部 Back to 1981 建物公開 会期:2022年1月4日~1月30日
「白井晟一 精神と空間」青幻社
大久保正雄「地中海紀行、旅する哲学者 美への旅」
アクロポリスの光と影 パルテノン神殿
https://t.co/nmDmRi4sGN
パルテノン神殿 彫刻家フェイディアス アクロポリスのコレー
アクロポリスのコレー 時を超えて蘇る少女
https://t.co/H9JyoTOReE
梵寿綱、生命の賛歌 輝き溢れる芸術建築
https://bit.ly/3A5Ko46
『隈研吾 はじまりの物語』青幻社2021
隈研吾展・・・迷宮建築への旅、雲の上のホテル
https://bit.ly/35STPGx
白井晟一・・・孤立の城、荒野の礼拝堂、ロマン主義建築家の反逆
https://bit.ly/3rZzIAY
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「天使か悪魔か 建築家 白井晟一」NHK
初回放送日: 2022年1月23日
孤高の建築家・白井晟一。独学で建築を身につけ、世界を席巻した丹下健三らのモダニズム建築を批判。都会にうがたれた黒い杭のようなビル、太古のモニュメントにも似た銀行社屋など、常識を覆すような作品ばかりを作った。権威主義を批判し哲人、詩人とも称された一方、自らが権威にもなっていった白井。その実像は、天使か、悪魔か。白井に憧れを抱く映画監督・紀里谷和明が迫る。
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