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2021年10月 4日 (月)

ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス ・・・印象派からエコール・ド・パリ

Pola-bunkamura-2021
Gogh-1888-pola-2021
Monet-1907-pola-museum
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』254回

【藝術家と運命との戦い】画家は、普通の幸せを手に入れるのは幻想である。天才たちでも不可能。画家は悲惨な人生と引き換えに傑作を生みだす。富豪画家は、ルノワールのみであり、アリーヌと結婚後、世界的成功を収めた。リュウーマチの苦痛に苦しみ、薔薇色の女たちを描き、亡き妻の思い出に生きる。78歳で死す。クロード・モネは、1875年7月、カミーユは不治の病結核にかかり、32歳の若さで死ぬ。カミーユの死後、女は描かなかった。ジヴェルニーの庭に籠り、晩年の風景画を描く。「睡蓮」連作は生前、評価されず。ジヴェルニーにて86歳で死す。
マネ、セザンヌ、親が銀行家で金持ち、だが不幸だった。ゴッホ、ゴーギャンは、破滅型。ジョルジュ・スーラは、早熟な天才、点描画法を生み出したが夭折。秘密主義で死因も不明。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
19世紀 ロマン主義、印象派からエコール・ド・パリへ
【ロマン主義】19世紀、ヨーロッパ美術は、ロマン主義、詩人ウィリアム・ブレイク、ジョセフ・ターナーから始まる。ターナーはクロード・ロランの影響を受けた風景画で一世を風靡した。風景画は、コンスタブル、ギュスターヴ・クールベの写実主義へと展開した。ロマン主義は、反古典主義である、ラファエロ前派、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、ラファエロ前派兄弟団を生み出した。ターナーの曖昧模糊とした風景画は、印象派モネに影響を及ぼす。
【印象派】第1回印象派展、1874年4月15日、パリ、オペラ座にほど近いカピュシーヌ大通り35番地で開催。モネ「印象、日の出」1873、ルノワール、カミーユ・ピサロ、印象派はパリの都市の憂鬱を癒す田園の風景を描いた。1886年パリにやってきたゴッホは1888年、アルルに旅立つ。1890年37歳で死ぬまで、「種まく人」、「糸杉」、「カラスの群れ飛ぶ麦畑」、最後の作品群を描く。
【象徴派】印象派のリアリズムに背を向け、ギュスターヴ・モローは象徴派の藝術を構築する(「出現」(L'Apparition)1876頃)。象徴派のルドンは、49歳で色彩画に到達する(「キュクロープス」1914)。
【シュルレアリスム】パリのピエール画廊において1925年に開催された「第1回シュルレアリスム」展。マックス・エルンスト、ハンス・アルプ、マン・レイ、ジョルジュ・デ・キリコ、アンドレ・マッソン、ジョアン・ミロ、パウル・クレー、パブロ・ピカソ、アンドレ・ブルトンによる「シュルレアリスム宣言」(1924)に端を発し、30年代まで続いた芸術運動である。
【エコール・ド・パリ】1928年、パリの画廊で開催された「エコール・ド・パリ展」。パリの異邦人、エコール・ド・パリの画家たちは、藝術思潮ではなく、シャガール、キスリング、モンパルナス(詩人の山)につくられた共同アトリエ「ラ・リューシュ(蜂の巣)」に集った画家たちである。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
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【ファムファタール、運命の女】ギュスターヴ・モロー、クリムト、ロセッティ、ラファエロ前派、アルフォンス・ミュシャ、象徴派、幻想の藝術家たち。印象派の時代に反旗を翻した、ロマン主義、象徴派、幻想派の画家たちは運命の女を探求した。
オディロン・ルドンは、20世紀のシュルレアリスムを予言する象徴派である。《神秘的な対話》(1896)は、薔薇色の雲が飛ぶ蒼穹の古代神殿で美女が対話する。魂は果てしなく蒼穹を飛翔する。眼は奇妙な気球のように無限に向かう。ルドンは、ジョルジョ・デ・キリコ、サルヴァドール・ダリ、ポール・デルヴォー、超現実主義の先駆者である。
【アンチリアリズム】19世紀はリアリズムの世紀であり、20世紀はアンチリアリズムの世紀である。(奥泉光『漱石の孤独』)。夏目漱石は1900年、留学。『失われた時を求めて』『フィネガンズヴェイク』の誕生を目撃。『トリストラム・シャンディ』を研究した。リアリズムとアンチリアリズムのその境界に、印象派と幻想派、象徴派の藝術家が活躍した。ロマン主義の苦悶の時代である。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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【ロマン主義】私は私の敵に腹を立てた 私は黙っていた 私の怒りはつのった そして私は それに恐怖の水をかけ 夜も昼も 私の涙をそそいだそして私は それを微笑の陽にあて 口あたりのよい欺瞞の肥料で育てた。ウィリアム・ブレイク「毒のある木」『経験の歌』
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展示作品の一部
ピエール・オーギュスト・ルノワール《レースの帽子の少女》、1891年、油彩/カンヴァス
アンリ・マティス 《室内:二人の音楽家》 1923年油彩/カンヴァス
ラウル・デュフィ 《パリ》1937年 油彩/カンヴァス
クロード・モネ 《散歩》 1875年 油彩/カンヴァス
クロード・モネ 《サン=ラザール駅の線路》 1877年 油彩/カンヴァス
クロード・モネ《睡蓮》、1907年、油彩/カンヴァス
フィンセント・ファン・ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋 》、1888年、油彩/カンヴァス
ポール・セザンヌ《プロヴァンスの風景》、1879-1882年、油彩/カンヴァス
キスリング《睡蓮》、1929年、
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★参考文献
ゴッホ展―響きあう魂 ヘレーネとフィンセント・・・糸杉と星の道、種をまく人
https://bit.ly/2W3o6RF
ルノワール『イレーヌ』・・・非情な運命が襲いかかる、波瀾に立ち向かう
https://bit.ly/2ZlgdIp
「ギュスターブ・モロー展 サロメと宿命の女たち」・・・夢を集める藝術家、パリの館の神秘家。幻の美女を求めて
https://bit.ly/2v5uxlY
オディロン・ルドン 夢の起源・・・「眼は奇妙な気球のように無限に向かう」
https://bit.ly/3DlvCr9
藝術と運命との戦い・・・ジョルジュ・スーラ
https://bit.ly/3EyiuQL
シュールレアリスムの夢と美女、藝術家と運命の女・・・デ・キリコ、ダリ、ポール・デルヴォー
https://bit.ly/2vikIlL
クロード・モネ『日傘の女』・・・運命の女、カミーユの愛と死
https://bit.ly/3BmmdyZ
ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス ・・・印象派からエコール・ド・パリ
https://bit.ly/3B9SF7l
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フランス絵画の巨匠28名が一堂集結!
「甘美なるフランス(ラ・ドゥース・フランス)」とは、美しく、穏やかで、稔り豊かなフランスとその文化を賛美するため、古くから親しまれてきた表現です。19世紀後半に出現した印象派の画家たちは、日常生活や余暇の愉しみなど、あるがままのフランスを画題とし、新たな「甘美なるフランス」の世界を描き出しました。その後20世紀のピカソら外国出身の画家についても、作品から伝わってくるのは、彼らの祖国と共にパリのエスプリであり、パリで展開していた芸術活動のまれにみる豊かさです。
本展は「女性像」「パリ」「旅」の3つをキーワードに、ポーラ美術館(箱根・仙石原)のコレクションから印象派~エコール・ド・パリまでの時代にフランスで活躍した、人気画家の絵画74点を厳選して展示。
本展では、ポーラ美術館のコレクションより印象派からエコール・ド・パリの時代にフランスで活躍した人気画家の絵画74点を厳選し、当時のパリジェンヌたちが愛用したアール・ヌーヴォーとアール・デコの化粧道具12件と併せてご紹介します。Bunkamuraザ・ミュージアムでは2006年に開催し大好評を博した『渋谷で出会う ポーラ美術館の印象派コレクション』展より15年ぶり、2回目の開催となります。
時代や様式を超えて受け継がれる「甘美なるフランス」の美意識をぜひご堪能ください。
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_pola
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「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」Bnnkamuraザ・ミュージアム
11月15日(月)~11月23日(火・祝)

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