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2020年9月の記事

2020年9月29日 (火)

「竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス」・・・生きとし生けるもの、一切衆生悉有仏性

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』225回
京都画壇最高峰の画家、竹内栖鳳(1864‐1942)は、四条派、円山派、狩野派、日本画すべての手法を身につけ、鵺派と呼ばれる。1900年36歳の時、7ヶ月ヨーロッパを旅した。ヨーロッパ美術に衝撃を受け西洋美術の写実技法を身につけ、外形の写実ではなく、本質を捉えることを追求した。東の横山大観の朦朧派、西の竹内栖鳳の鵺派と並び称される。
【生きとし生けるもの、一切衆生悉有仏性】
日本美術が前提とする世界観とは何か。
生きとし生けるもの、歌を詠まないものはあるか。だが、諸法無我、天地万物あらゆるものには不滅の実体はない。諸法無我と一切衆生悉有仏性(『涅槃経』『如来蔵経』『勝鬘経』)は矛盾する。「龍樹の空思想と如来蔵思想は対立する」立川武蔵『日本仏教の思想 受容と変容の千五百年史』P96『空の思想史』。一切衆生悉有仏性(『涅槃経』『如来蔵経』『勝鬘経』)。
やまと歌は、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。
花に鳴く鶯、水にすむ蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける。
力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女の仲をも和らげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり。『古今和歌集』紀貫之「仮名序」
――
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。
美しい夕暮れ。美しい魂に、幸運の女神が舞い降りる。美しい守護霊が救う。美しい魂は、輝く天の仕事をなす。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【世界観の研究】教養課程の時「ギリシア神話の世界観」という授業があった。イタリア人の哲学教授、ハンニバル先生の講義。先生は「世界観の研究」を研究していた。「ギリシア神話の世界観」。「キリスト教の世界観」。「量子物理学の世界観」とは何か。イタリア人教授は大学を去り、祖国に帰った。私は、博士課程でプラトン哲学を研究した。その後、空海密教の世界観を研究した。
日本美術が前提とする世界観とは何か。
【初転法輪の仏陀、四諦、原始仏教】仏陀は、人生を苦とみた。四諦は仏陀が最初の説法で説いた。『阿含経』四諦、苦諦と集諦は、迷妄の世界の果と因とを示し、滅諦と道諦は、証悟の世界の果と因とを示す。苦諦【四苦八苦。生老病死、怨憎会苦、愛別離苦、求不得苦、五蘊盛苦】集諦、貪欲や瞋恚、愚痴などの心の汚れその根本である渇愛【十二縁起。十二因縁の支分は、無明、行、識、名色、六処、触、受、愛、取、有、生、老死】滅諦【苦しみの消滅の真理】道諦【八正道、正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定】『阿含経』
――
【逆境と戦う藝術家、運命と戦う思想家】売れない藝術家は、どう逆境を超えるか。運命と戦う思想家は、どう運命を変えるのか。
【上智と下愚とは移らず】最上の知者は悪い境遇にあっても下落せず、最下の愚者は 、どんなによい境遇にあっても向上しない。どんなに地位と肩書が高くて富裕でも、知性の貧困は隠せない。地位と肩書が高く高度な職業でも、魂の貧困は隠せない。「論語」陽貨篇。
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
展示作品の一部
竹内栖鳳《班猫》1924(大正13)年《みゝづく》1933(昭和8)年頃 絹本《蛙と蜻蛉》1934(昭和9)年 紙本《鴨雛》《憩える車》、柴田是真《墨林筆哥》、西村五雲《白熊》、西山翠嶂《狗子》、小林古径《猫》1946(昭和21)年、橋本関雪《霜の朝》、奥村土牛《兎》、速水御舟《昆虫二題 葉蔭魔手・粧蛾舞戯》1926(大正15)年、山口華楊《生》、守屋多々志《西教伝来絵巻》試作、守屋多々志『慶長使節支倉常長』1981(昭和56)年 紙本・彩色 西山翠嶂《狗子》1957(昭和32)年 絹本
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竹内栖鳳展 近代日本画の巨人・・・哀愁のイタリア、『ベニスの月』
https://bit.ly/2Fjzgcx
「円山応挙から近代京都画壇へ」藝大美術館・・・円山応挙「松に孔雀図」大乗寺
https://bit.ly/2KEGwyj
『班猫』(重要文化財)大正13(1924)年 山種美術館 展示期間:9/25~10/14(東京展)、11/12-12/1(京都展)
速水御舟『炎舞』『粧蛾舞戯』『名樹散椿』、山種美術館・・・舞う生命と炎と闇
https://bit.ly/2KCbOrW
細川家の至宝、珠玉の永青文庫コレクション・・・織田信長「天下布武」と菱田春草「黒き猫」
https://bit.ly/2Pjv8Kx
上村松園と美人画の世界・・・肉体の美と叡智
https://bit.ly/2GXmVru
「桜 さくら SAKURA 2020 ―美術館でお花見 ! ―」山種美術館・・・花の宴
https://bit.ly/2UUizJw

「竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス」・・・一切衆生悉有仏性

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「竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス」山種美術館、2020年9月19日(土)から11月15日(日)まで
https://www.yamatane-museum.jp/index.html

2020年9月26日 (土)

「工藝2020-自然と美のかたち-」東京国立博物館・・・道を極める名人の世界

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』224回
奥田小由女「海から天へ」は、海から天に上る母と子、霊たちを人形の形にしている。作者83歳の作品。85歳である現在まで、作品を作り続けることは奇跡である。千年を超える漆藝の歴史を踏まえ蒔絵と螺鈿の技法を駆使する漆藝家、室瀬和美「柏葉蒔絵螺鈿六角合子」。志野焼、萩焼。楽焼、友禅染、久留米絣、更紗、人形、漆工、陶磁、名人たち82人の作品、崇敬に値する作品を見て驚嘆する。80歳90歳くらいの名人たち。師に出会い、若いころ学んで、90歳まで続けること、技術を洗練する、若い純粋な精神を持ち続けることは至難の業である。

哲学青年は「哲学は社会を生きるのに必要ない。役立たずの学問だ」といわれた。哲学青年は理念を探求して、現実の試練を受け、運命と戦う。理念と現実との調和は藝術において実現する。
純文学作家は10年続けることが困難だといわれる。「《純文学だけで生きられるか》純文学作家の「生きる糧」 芥川賞作家も副業は当たり前 「専業」はわずか1桁?」(毎日新聞2016年8月29日 東京夕刊)
【道を極める名人の世界】
人生で、よい師と出逢うことは、重要なことだ。しかし、よき師に出逢うことは困難である。求めて出逢うことは、まれである。師に出会い、技術を洗練する、若い純粋な精神を持ち続けることは至難の業である。
【創造的研究】研究には2種類ある。創造的研究と研究のための研究。高度に普遍的な学問はいくら究めても上には上がある。普遍的な学問は、他との競争に勝っても後世優秀な人に克服される。創造的学問は、他に類がないので究極的秘儀に立ち入る。ある建築家の教え。『旅する思想家』
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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展示作品の一部
三輪休雪、雪嶺、花器、2019
楽直入、十五代吉左エ門、焼貫黒楽茶碗、2001、
奥田小由女、海から天へ、2018、人形、個人蔵
林駒夫、呉女、人形、2015、個人蔵
中村信喬、遥かな道、2014、人形
室瀬和美、柏葉蒔絵螺鈿六角合子、漆工、2014、個人蔵
月岡裕二、截金砂子彩箔「凛」、截金、2015、個人蔵
今泉今右衛門、色絵雪花薄墨墨はじき雪松文蓋付瓶、陶磁、2019、個人蔵
伊藤祐司、赤富士、漆工、2015
村山明 欅緋拭漆舟形盛器 平成29年(2017) 個人蔵
鈴木蔵、志野茶碗、陶磁、2016
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参考文献
「工藝2020-自然と美のかたち-」青幻社、2020
読売新聞2020年9月6日、自然とともに 工芸の巨匠たち
「工藝2020-自然と美のかたち-」東京国立博物館・・・道を極める名人の世界
https://bit.ly/3i6wTHe

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工芸と日本人の自然観
本展は、日本の生活の器を造形する作家や芸術を創造する現代工芸作家を幅広い世代から集めて紹介する展覧会です。それとともに日本博の総合テーマである「日本人の自然観」について工芸を通して紹介していきます。日本の文化や工芸には、人間と自然は一つの生命であるという世界観を持ち、自然を美として調和として捉える芸術思想があります。それは時代と国境を越えた普遍性と融和性があります。これらの点を展示を通して感じていただくとともに、建築家・伊東豊雄氏の「自然と生命の輝き」をコンセプトとしたデザイン性の高い空間で展示することで、工芸のもつ魅力と可能性を国内外へ発信いたします。
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2042
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特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」東京国立博物館、表慶館、9月21日(月)~11月15日(日)

2020年9月20日 (日)

美術館スケジュール2020年第2巻・・・旅する哲学者 美への旅

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』223回

【神の怒り】人類史からみると人の密集した都市文明は異常である*。神々は、カネと地位に執着する人間たちに天罰を下す。戦争と疫病を起こす。
【人口削減計画】ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するためにテミスと試案を重ね、大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意をした。
https://bit.ly/2XoaNcd
緊急事態により、美術館、博物館は、臨時閉館になり、3月2日から6月まで、休館した。再開されたのは、6月30日ごろからである。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
失われた美を求めて
【失われた美を求めて、藝術家、思想家、皇帝は失われた価値を探求する】ヘレニズム彫刻を探求したミケランジェロ、ピュタゴラス文書を探求したプラトン、アルカイック彫刻を求めたローマ人、王羲之『蘭亭序』を求めた太宗皇帝李世民、古代の美を求めたレオナルド『レダ』1505、
【失われた美を求めて】ヌムール公ジュリアーノ・デ・メディチ、レオナルドに『婦人の肖像』を発注ラファエロに肖像画を描かれミケランジェロに霊廟を彫刻される。ジュリアーノ・デ・メディチは失われた時を求めた。
【失われた美を求めて、藝術家、思想家、皇帝は失われた価値を探求する】【失われた名城、安土城】5層7階、天正7年完成、天正10年、本能寺の変以後、消失。【曜変天目茶碗】足利義政が所有した。織田信長が手に入れ、本能寺の変以後、消失。
【信長の愛刀、義元左文字】桶狭間合戦(1560)の際に、織田信長が分捕った今川義元の愛刀。初め三好政長(法號宗三)の愛刀であつた
【書の秘宝 王羲之と太宗皇帝 『蘭亭序』】王羲之(303-361)は、東晋の貴族、権謀術数の官界を嫌い会稽県に赴任、永和九年(353)三月三日に会稽山の山陰の蘭亭にて曲水流觴の宴を開いて『蘭亭序』を書き、不滅の書の古典を残す。49歳。
【金と地位では買えない価値】お金で豪邸は買えるが 、家庭は買えない。高級時計は買えても、時間は買えない。本は買えても、知識 は買えない。地位や名誉は買えても、知識は買えない。美術品はカネで買えるが、美は買えない。真の知識、学問を手に入れるには、世間の抵抗と戦い、真の師匠を探さなければならない。【失われた美を求めて、藝術家、思想家、皇帝は失われた美を探求する】
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――

美術館スケジュール2020年第2巻・・・旅する哲学者 美への旅

6月
「きもの展」東京国立博物館、6月30日から8月23日
7月
おいしい浮世絵展、森アーツセンター、7月15日(水)~9月13日(日)
STARS展、現代美術のスターたち、森美術館、2020.7.31(金)~ 2021.1.3(日)
8月
MANGA都市TOKYO、ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020、国立新美術館、8月12日(水)~11月3日(火・祝)
9月
【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス」山種美術館、2020年9月19日(土)から11月15日(日)まで
「ローマ教皇献呈画 守屋多々志《西教伝来絵巻》 試作」を併設展示
特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」東京国立博物館、9月21日(月)
10月
特別展「桃山―天下人の100年」東京国立博物館、10月6日
「KING&QUEEN展―名画で読み解く英国王室物語―」上野の森美術館、10月10日 (土) ~ 2021年1月11日 (月).
ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵
11月
琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術、アーティゾン美術館(東京・京橋)、2020年11月14日(土)~2021年1月24日(日)

「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」、江戸東京博物館、2020年11月21日(土) ~2021年4月4日 (日)

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振袖、鼠壁、縮緬地、波に千鳥裾模様、江戸時代、19世紀、京都文化博物館
単衣、鼠絽地、富士雲夕立模様、江戸時代、19世紀、奈良県立美術館
京都 輪違屋「打掛 紺繻子地鷲波松模様」「打掛 淡茶地鳳凰幔幕大太鼓模様唐織」「丸帯 紺地雲龍模様繻珍」明治~大正時代19~20世紀
特別展「きもの KIMONO」国立東京博物館・・・織田信長の陣羽織「黒鳥毛揚羽蝶模様」、戦国一の美女と落城
https://bit.ly/2NRghXr
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「法隆寺金堂壁画と百済観音」・・・法隆寺と百済観音の謎
https://bit.ly/2J66OZZ
「法隆寺金堂壁画と百済観音」・・・若草伽藍と聖徳太子の謎
https://bit.ly/2R8JNtG 
「出雲と大和」東京国立博物館・・・大海人皇子、大王から天皇へ
https://bit.ly/2ReO0wz 
特別展「きもの KIMONO」国立東京博物館・・・織田信長の陣羽織「黒鳥毛揚羽蝶模様」、戦国一の美女と落城
https://bit.ly/2NRghXr
STARS展、現代美術のスターたち、森美術館 ・・・資本主義史上最大の感染爆発、混迷する人類、救済する智慧はどこにあるか
https://bit.ly/30g3TY4
「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」東京都美術館・・・浮き世の遊宴と享楽と美女
https://bit.ly/30JCdd2
「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」・・・江戸人の味覚
https://bit.ly/3kwMEK0
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レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年記念「夢の実現」展・・・レオナルドの夢、ルネサンスの夢
https://bit.ly/38VLGjZ
ハマスホイとデンマーク絵画展・・・背を向けて佇む女、憂いを帯びる世界、だれもいない部屋
https://bit.ly/2RNIUq8
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展・・・ルネサンス、ヴェネツィアの放浪画家、マニエリスムの放浪画家
https://bit.ly/3g2iknx
「桜 さくら SAKURA 2020 ―美術館でお花見 ! ―」山種美術館・・・花の宴
https://bit.ly/2UUizJw
上村松園と美人画の世界・・・肉体の美と叡智
https://bit.ly/2GXmVru
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「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」東京国立博物館・・・空海、理念と象徴
https://bit.ly/3fyOaYF
――
美術館スケジュール2020年・・・旅する哲学者
https://bit.ly/37QZThD 
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充実した年の記録
2019美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/2Z8f8AL
充実した年 2018美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/2YUXtwi 
2017美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/2YUzNbk 
2016美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅
https://bit.ly/31VeAjD

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