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2018年12月 3日 (月)

無我説と輪廻転生、仏教の根本的矛盾。識體の転変、種子薫習。名言種子、我執種子、有支種子

Buddha_on_first_sermon大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第165回
森林の樹下に瞑想する仏陀は月影に何を思うのか。
無我(anātman)説と輪廻転生(saṃsāra)は、根本的に矛盾する。この矛盾をどのように解決するのか。この問題は、婆羅門教のアートマンと仏教の無我説の対立に根源がある。仏教2千5百年、多彩な仏教の学派には、この問題を解く学派がある。この問題について、島薗進先生に質問したことがある。島薗先生の解答は、十二縁起説(dvādaśāṅgika-

pratītyasamutpāda)により輪廻転生が説明されるという回答である。
六観音菩薩の思想は、六道輪廻の思想に基づいている(*天台智顗『摩訶止観』)。十一面観音菩薩、怒りと争いの修羅道を救う。准胝観音菩薩(不空羂索観音菩薩)、四苦八苦の人道を救う。如意輪観音菩薩、神通力をもつ天人を救う。
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保 正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【識體の転変、第八識】識は転変する(転識得智)。前五識は、五感(眼、耳、鼻、舌、身)による感覚作用であり、これが成所作智、不空成就如来の智恵になる。第8識、阿頼耶識(大円鏡智)が転じて、有が生じ、輪廻転生が起きる。
*注 十二縁起。無明→行→識→名色→六処→触→受→愛→取→有→生→老死→(無明に繋がる)。
――
【識體の転変、種子薫習】阿頼耶識に薫じられて迷界を顕現する種子は3つある。名言種子、我執種子、有支種子。『摂大乗論』。
――
第六識、第七識、第八識、第九識
第六識は五感の感覚的情報に基づいて行動や判断する意識であり、妙観察智、阿弥陀如来の智恵に転じる。転識得智
第七識は第6識の意識下にある無意識、末那識で自我を形成する。これが平等性智、宝生如来の智恵に転じる。
第八識は意識されない潜在意識、阿騾頼耶識(ālaya-vijñāna)で、生死輪廻する業の主体である。これが大円鏡智、阿閦如来の智恵に転じる。
第九識、阿摩羅識(amala-vijñāna)唯識思想(法相宗)では、八識を説く。 すべては阿頼耶識より縁起するとし、主に迷いの世界であるが悟りも阿頼耶識より生じるとする。 一方、心は本来清浄であるとする如来蔵思想がある。 これらの思想を止揚するため、天台宗や華厳宗などの法性宗は、この阿摩羅識を加えて新たに九識を立てた。天台宗では、阿摩羅識をけがれが無い無垢識・清浄識、また真如である真我、如来蔵、心王であるとし、すべての現象はこの阿摩羅識から生れるとした。
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■金剛界曼荼羅
中央に中心となる「成身会」があり、その下に「三昧耶会」、その左に「微細会」、その上に「供養会」、その上に「四印会」、その右に「一印会」、その右に「理趣会」、その下に「降三世会」、その下に「降三世三昧耶会」。成身会から下るのを向下門。降三世三昧耶会から上るのを向上門。金剛界曼荼羅を成身会へいかにして上るのか。
「成身会」「三昧耶会」「微細会」「供養会」「四印会」「一印会」「理趣会」『金剛頂経』金剛界品に、「降三世会」「降三世三昧耶会」が降三世品に拠る。
■金剛界曼荼羅、理趣会
即身成仏の思想が図示されている。
『理趣経』17段【深秘の法門 】五種秘密三摩地の章【五秘密尊】金剛薩埵の周りに、金剛欲明妃、金剛蝕明妃、金剛愛明妃、金剛慢明妃、4の明妃が囲む。
『理趣経』第一段、第一七段に理趣経の核心、密教の思想が集約されている。
『理趣経』1段、【大楽の法門】金剛薩埵の章、十七清浄句
『理趣経』17段、【深秘の法門】五種秘密三摩地の章【五秘密菩薩】
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『金剛界曼荼羅』理趣会。五秘密菩薩。
金剛薩埵は、若くて美しい女、欲・触・愛・ 槾 、美しい菩薩によって囲まれている。欲金剛女菩薩、触金剛女菩薩、愛金剛女菩薩、槾金剛女菩薩。松長有慶『理趣経』P265
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★参考文献
無着『摂大乗論』
世親『唯識三十頌』
松長有慶『理趣経』
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金剛界曼荼羅の五仏、五智如来、仏陀への旅
転識得智、種子薫習
https://t.co/MIXigqe3xH
五知如来の智慧
https://bit.ly/2O8YtbU
【質疑応答】島薗進×大久保正雄『死生学』
https://bit.ly/2AeU3Hv 
空海の旅 旅する思想家、美への旅
https://t.co/HPPpp3e5iL
旅する思想家、孔子、王羲之、空海と嵯峨天皇
https://bit.ly/2zsD05T
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「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」東京国立博物館、・・・純粋な美しい魂に舞い降りる
https://bit.ly/2C0ZL2f
「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」・・・醍醐寺三宝院、織田信長のために祈祷する
https://bit.ly/2NHbWso 
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★初転法輪の仏陀、Sarnath Buddha

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