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2016年9月22日 (木)

李白 旅する詩人 美への旅

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大久保正雄「旅する哲学者 美への旅」第99回李白
李白 旅する詩人 美への旅

美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。
はちみつ色の夕暮れ、黄昏の丘、黄昏の森を歩き、迷宮図書館に行く。糸杉の丘、知の神殿。美しい魂は、光輝く天の仕事をなす。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』

桃花流水杳然として去る。別に天地の人間に非ざる有り。
両人対酌して山花開く。
玉階に白露生じ、玲瓏秋月を望む。
この地一たび別れをなし、孤蓬万里にゆく、浮雲遊子の意
孤帆の遠影碧空に尽き、唯見る長江の天際に流るを。
詩の一句、断片を一瞥しただけで、異空間に誘われる。
中国最高の詩人であり、世界最高の詩人。李白。
李白の詩の美の秘密は、どこにあるのか。

【李白の謎】
李白は、世に出る道をふさがれ、10代から20代、蜀の各地を放浪した。放浪、隠遁志向を持ち、旅を続けた。
天宝元年(742年)から1年半、玄宗皇帝の宮廷に仕え、都長安に留まる。しかし、皇帝の宮廷の阿諛追従の世界に倦み、再び、放浪の旅に出る。
人は旅をする。人が旅をするには、理由がある。
諸行無常、盛者必滅、奢れるものは久しからず。空海は、魂の果てを探検する探求者(沙門)である。
李白は、水に映った月を手に取ろうとして、水に墜ちて死んだといわれるが、伝説である。
李白が旅をつづけ、求めていたものは何か。

美への旅、知恵の旅、時空の果てへの旅、魂への旅。
美は真であり、真は美である。地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。

はちみつ色の夕暮れ、黄昏の丘、黄昏の森を歩き、迷宮図書館に行く。糸杉の丘、知の神殿。美しい魂は、光輝く天の仕事をなす。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』

【李 白】701年(長安元年)- 762年10月22日(宝応元年9月30日)61歳。
中国盛唐の詩人。字は太白。号、青蓮居士。詩が爛熟した帝国唐、唐代のみならず、中国詩歌史上において、杜甫とともに最高の存在とされる。自由奔放で変幻自在な詩風。「詩仙」と称される。
李白を天才絶となす、白居易を人才絶となす、李賀を鬼才絶となす。『南部新書』
鬼才李賀の句、「幽蘭の露、啼ける目のごとし」「恨血千年、土中の碧」、詩の片鱗から李賀を想起する。
詩の王国、中国史上最高の詩人、李白は、生涯旅した隠者である。旅をした理由は何か。

【天からこの世にやって来た詩人】
天から流されてこの世にやって来た仙人と呼ばれ「酒中の仙」とみずから称した。
李白は4人の妻を持った。最初に娶ったのは吊門の末裔と言われる「許夫人」一男一女が生まれている。第二「劉夫人」離婚している。第三が「魯の一婦人」。山東省。第四が「宗夫人」梁園(河南省商丘)の人、財力もあった。
【李白観瀑】
李白は、詩2000篇を書いた。李白の名作は、数限りない。『月下独酌』、「蜀道難」「将進酒」「廬山の瀑布を望む」「横江詞」。【李白観瀑図】は、よく画人の絵に描かれる。
李白は、詩2000篇を書いたが、制作時期がわかるものは少ない。
「李白一斗詩百篇」李白は酒を一斗欽んで、詩を百篇書いた。杜甫『飲中八仙』
【李白と月】
李白は、水に映った月を手に取ろうとして、水に墜ちて死んだといわれるが、伝説である。
李白が旅をつづけ、求めていたものは何か。

★李白詩選
「山中問答」李白
問余何意棲碧山
笑而不答心自閑
桃花流水杳然去
別有天地非人間

山中問答 李白
余に問ふ何の意ありてか碧山に棲むと、笑って答へず心自から閑なり。
桃花流水杳然として去る。別に天地の人間に非ざる有り。

「山中与幽人対酌」李白
両人対酌山花開
一杯一杯復一杯
我酔欲眠卿且去
明朝有意抱琴来
両人対酌して山花開く。
一杯一杯復た一杯。
我酔いて眠らんと欲す桂且らく去れ。
明朝、意有らば琴を抱きて来たれ。

★「玉階怨」李白
玉階生白露、
夜久侵羅襪。
却下水精簾、
玲瓏望秋月。
玉階に白露生じ、 夜久しくして羅襪を侵す。
却下す水精(すいしゃう)の簾、玲瓏秋月を望む。

★「送友人」李白
青山橫北郭
白水遶東城
此地一爲別
孤蓬萬里征
浮雲遊子意
落日故人情
揮手自茲去
蕭蕭班馬鳴
友人を送る
青山(せいざん) 北郭(ほっかく)に横たわり
白水 東城をめぐる
この地一たび別れをなし、孤蓬万里にゆく、浮雲遊子の意
落日故人の情
手をふるひて ここより去れば
肅肅として班馬鳴く

★「黄鶴楼送孟浩然之広陵」李白
故人西辞黄鶴楼
烟花三月下揚州
孤帆遠影碧空尽
唯見長江天際流
黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る 李白
故人西のかた黄鶴楼を辞し、
烟花三月揚州に下る。
孤帆の遠影碧空に尽き、唯見る長江の天際に流るを。
★雪舟『山水長巻』1496
★長安、桂林、麗江古城
★Metaora,Greece
★参考文献
松浦友久『李白詩選』岩波文庫1997
アーサー・ウェイリー、小川環樹・栗山稔訳『李白』岩波新書1972
井波律子『奇才と異才の中国史』岩波新書
井波律子『中国の隠者』文春新書
井波律子『中国文章家列伝』
武部利男『李白』上下巻、岩波書店「中国詩人選集7・8」1958新版1990
武部利男『李白』筑摩書房、世界古典文学全集1972
高島俊男『李白と杜甫』講談社学術文庫1997
大久保正雄2016年9月22日

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