ハプスブルク帝国、ヴェラスケス、黄昏の光芒
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第98回
ハプスブルク帝国、ヴェラスケス、黄昏の光芒
はちみつ色の夕暮れ、黄昏の丘、黄昏の森を歩き、迷宮図書館に行く。糸杉の丘、知の神殿がある。美しい魂は、光輝く天の仕事をなす。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
ヴェラスケスをめぐる人々。フェリペ4世、マリアナ王妃、ルーベンス、王女マルガリータ。イタリアの愛人。『鏡のヴィーナス』1551、ティツィアーノ『ウルビーノのヴィーナス』。
旅したイタリアは、ヴェラスケスを魅了し続ける。ヴェラスケスは、スペイン宮廷とイタリアの夢の国を揺れ動く。
『白衣の王女マルガリータ』『ラス・メニーナス』1556
画いて、4年後、61歳で死す。
沈みゆく太陽、ハプスブルク帝国、ヴェラスケス、栄光の光芒。朽ちていくスペイン。
【ディエゴ・ヴェラスケス】Diego Velázquez (1599-1660)
1623年、24歳の若さで国王フェリペ4世の王直属の画家。33年間の宮廷画家、官僚生活、嫌悪していた。61歳で死ぬ。心筋梗塞。
1629年、1648年、2回のイタリア旅行。
【フェリペ4世】Felipe IV, 1605 在位1621—65
【ルーベンス】Peter Paul Rubens 1577—1640 フランドルのバロック画家、外交官。
1628年、外交官ルーベンス、マドリッド訪問。美術愛好家フェリペ4世により、宮廷内にアトリエを与えられる。ヴェラスケス、ルーベンスに教えを受ける。
ヴェラスケス、1628年ルーベンスに「ヴェネツィア派ティツィアーノ」の偉大さを教えられる。
【スペイン・ハプスブルク家】フェリペ4世、絵画コレクション。ヴェラスケス、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼ
【ハプスブルク家】ヴェラスケス、ハプスブルク家の醜い容貌を偽装する。「狩猟服姿のフェリペ4世」1634
【ハプスブルク家の異様な容貌】鷲鼻、顎が突出する醜悪な、下顎前突症Proganathism。ヴェラスケス、王家の容貌を偽装して粉飾。
1648年から1651年【イタリア旅行】ヴェラスケス、1648年から1651年までイタリア旅行。ローマ滞在、「ヴィラ・メディチの庭園」描く。
ヴェラスケス、イタリアの愛人をモデルに『ヴィーナスの化粧』(『鏡のヴィーナス』)(1647~1651年)を描く。
ティツィアーノ『ウルビーノのヴィーナス』の影響受ける。
【イタリア旅行】ヴェラスケス、2度目のイタリア旅行(1647~1651年)。不自由なスペインに帰国したくなかった。
【ハプスブルク家】ヴェラスケス、イタリア旅行から帰国。5歳の王女マルガリータを描く。最高傑作『ラス・メニーナス』1656
【ハプスブルク家】王女マルガリータ・テレサ・デスパーニャ1651—1673
Margarita Teresa D’Espagna, 1651—1673
王女マルガリータ、14歳で結婚、21歳で死ぬ。ヴェラスケスの死後13年、1673年、死去。
【ハプスブルク家】ヴェラスケス、イタリアの自由な文化を愛し、スペインの階級社会、宗教を嫌悪する。1651年帰国後、死ぬまで『王女マルガリータ』を描く。
ヴェラスケスは、『王女マルガリータ』を1653年から1660年まで描く。ウィーン美術史美術館に3枚存在する。
【ハプスブルク家】ヴェラスケス、宮廷画家の立場上、虚偽を造形する。ハプスブルク家の下顎前突症(Prognathism)を虚飾で粉飾する。
1652年に、ヴェラスケス、王宮の鍵をすべて預かる王宮配室長、重職に任用され官僚として頂点を極める。
1660年、ヴェラスケス、宮廷官僚として61歳で急死。最高傑作『ラス・メニーナス』制作後4年。
最高傑作『ラス・メニーナス』。原題『王の家族』
フェリぺ4世夫妻の目から見た、ヴェラスケス工房の王の家族と従者の光景。
『狩猟服姿のフェリペ4世』1634
『ヴィラ・メディチの庭園』1647年から1651年
『鏡のヴィーナス』(1647~1651年)
『白衣の王女マルガリータ』1556
『ラス・メニーナス』1556
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ハプスブルク帝国年代記 王女マルガリータ、帝国の美と花
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★Diego Velázquez,Las Meninas,1556『ラス・メニーナス』
★Diego Velázquez, Margarita Teresa
★Diego Velázquez,
大久保正雄2016年9月16日
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