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2016年9月 1日 (木)

新古今歌人、悲恋の花、式子内親王、西行、美への旅

Shimomurakanzan_2
大久保正雄「旅する哲学者 美への旅」第92回新古今歌人
新古今歌人、悲恋の花、式子内親王、西行、美への旅

美への旅、知恵の旅、時空の果てへの旅、魂への旅。
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。

はちみつ色の夕暮れ、黄昏の丘、黄昏の森を歩き、迷宮図書館に行く。糸杉の丘、知の神殿。美しい魂は、光輝く天の仕事をなす。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』

★■【逢ひて逢はぬ恋】『新古今和歌集』の悲恋の歌
【逢ひて逢はぬ恋】、逢はぬ恋、見ぬ恋、忍ぶ恋。有限な人間のかなわぬ恋の歌。自由奔放な人の心と人間社会の葛藤の果てに生まれる歌。悲恋の歌の背後には、新古今歌人の悲恋がある。人の運命との戦いが、悲恋である。
玉の緒よ絶えなば絶えね ながらへば忍ぶることの弱りもぞする 新古今 恋一 1034

定家と式子内親王 秘められた恋
■式子内親王、忍ぶ恋 玉の緒よ絶えなば絶えね
式子内親王
生年不詳*久安五~建仁一(1149~1201)
後白河天皇の第三皇女。加茂神社の斎院、のち出家。
玉の緒よ絶えなば絶えね ながらへば忍ぶることの弱りもぞする 新古今 恋一 1034
式子内親王は斎院(賀茂神社に奉仕する未婚の皇女)であり、藤原定家とは身分が遥かに違い、かつ生涯独身でなければならない身であった。
題詠通り「忍恋」であったことは想像に難くない。★

■新古今歌人、西行(佐藤義清)の謎 
鳥羽院の北面武士であったが、鳥羽院の女に手をだし、23歳で出家。「高貴な上臈女房と逢瀬をもった」『源平盛衰記』。女は、待賢門院璋子、璋子は、鳥羽上皇の中宮にして白河法皇の愛妾。美福門院説あり。鳥羽院の中宮璋子(待賢門院)は、西行となる北面武士佐藤義清に想いを寄せられ、鳥羽院と三角関係になる。身分違いの恋に苦悩する文武両道に秀で容姿端麗な義清(西行)は誠実な教養人、父白河法皇に複雑な感情を抱える鳥羽院。
新古今歌人、西行は、
願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ『山家集』(続古今1527)
歌に詠んだ通り、1190年3月31日、陰暦2月16日、釈尊涅槃の日に入寂。73歳。
西行(佐藤義清)(1118~1190)。

■悲劇の新古今歌人、藤原良経 38歳で急死
きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしき独りかも寝む  『新古今集』秋・518
秋篠月淸集、藤原良経、後京極摂政前太政大臣(百人一首91番)
藤原良経(よしつね)。関白藤原兼実(かねざね)の子。摂政・太政大臣になったが38歳で急死。早熟の天才で、10代の頃の歌が千載集に7首。新古今和歌集の仮名序を書き、号を秋篠月清という。『秋篠月淸集』がある。御祖父が百人一首76番に登場する法性寺忠通、叔父が92番の慈円法師。
★『六百番歌合』恋五十題
塚本邦雄は、『六百番歌合』恋五十題について、詳細な書を書いている。
塚本邦雄『戀 六百番歌合-《戀》の詞花対位法』文藝春秋
【『六百番歌合』より換骨奪胎された歌題一覧】
「初戀」「忍戀」「聞戀」「見戀」「尋戀」
「祈戀」「契戀」「待戀」「遇戀」「別戀」
「顯戀」「稀戀」「絶戀」「恨戀」「舊戀」
「曉戀」「朝戀」「晝戀」「夕戀」「夜戀」
「老戀」「幼戀」「遠戀」「近戀」「旅戀」(以上25歌題、上巻所収)
「寄月戀」「寄雲戀」「寄風戀」「寄雨戀」「寄煙戀」
「寄山戀」「寄海戀」「寄河戀」「寄關戀」「寄橋戀」
「寄草戀」「寄木戀」「寄鳥戀」「寄獸戀」「寄蟲戀」
「寄笛戀」「寄琴戀」「寄繪戀」「寄衣戀」「寄席戀」
「寄遊女戀」「寄傀儡戀」「寄海人戀」「寄樵夫戀」「寄商人戀」(以上25歌題、下巻所収)
★俵屋宗達、本阿弥光悦「新古今、鹿下絵和歌巻」
★下村寒山『小倉山』1909
藤原忠平が詠んだ『小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの 御幸待たなむ』一首をモチーフにした六曲一双の屏風絵。
★参考文献
久保田淳『新古今歌人の研究』1973
久保田淳『藤原定家全歌集』河出書房新社1986
久保田淳『新古今和歌集全評釈』講談社1976-77
久保田淳『藤原定家』集英社1984
久保田淳 訳注『新古今和歌集』上下、角川ソフィア文庫
塚本邦雄『新古今新考―斷崖の美學』花曜社1981
塚本邦雄『戀 六百番歌合-《戀》の詞花対位法』
塚本邦雄『定家百首 良夜爛漫』
★山口博『王朝貴族物語』第2章、講談社現代新書1994
大久保正雄2016年9月1日

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