戦国時代年代記 織田信長と芸術、明晰透徹
大久保正雄「旅する哲学者 美への旅」第66回 織田信長と藝術
戦国時代年代記 織田信長と芸術
陰謀うずまく戦国時代。謀略、諜報、情報操作、暗殺、毒殺、包囲網、政略結婚、人質、奇襲作戦、裏切り。
うつけ者を装った織田信長、明晰透徹、冷徹な合理主義者とイタリア人によばれた。
織田信長は、旧制度と対決、創造と革新の生涯を生きる。藝術と城を作り出し、時間に散った。
ルネサンスは、15世紀、イタリアの戦国時代である。陰謀うずまくルネサンス。謀略、諜報、情報操作、暗殺、毒殺、包囲網、政略結婚、人質、奇襲作戦、裏技。殺戮にあけ暮れる法王、貴族、銀行家、傭兵隊長。
フィレンツェは、包囲網を敷かれ、孤立しつつあった。包囲網を解いたのが、ロレンツォ・メディチ。フィレンツェ包囲の原因は、ルネサンスの創造と革新である。
人生は冒険である。美しい魂に、美しい天使が舞い降りる。見守る美しい天使。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
【戦国武将、死亡率80%】
戦国武将、死亡率80%。凡庸な者が生き残る。才能ある者は旗印となり死亡。
戦国時代、優秀な者は旗印となり死亡。桓武天皇は、優秀な皇族を陰謀、左遷で潰し、殺戮。弟早良親王は、自害。怨霊となり、御霊神社となる。御霊は六柱。
大学院博士課程、死亡率95%、愚昧な者が生き残る時代。優秀な者はつぶされる。
織田信長。織田一族、殺さなければ殺される。十二人兄弟のうち生き残ったのは二人。死亡率83%。【織田有楽斎】1547-1621。【戦国武将】激しい殺し合い。死亡率80%。凡庸ゆえ生き残った者たち。【競争社会】凡庸な者が出世する国、非凡なものは嫉妬され殺される。博士課程、死亡率95%。
★明晰透徹な織田信長
【織田信長】非凡をみぬく器量。13歳の少年の非凡を見ぬき厚遇。才能を発掘、生かす天才。深謀遠慮。
【織田信長、非凡をみぬく器量】才能を発掘、生かす天才。現代階級社会は、凡庸が出世する時代。
【織田信長】明晰透徹、俊敏奔放、英邁果断、勇猛強忍、剛毅果断『イエズス会日本通信』
【明晰透徹】明晰透徹、アイディアの奔流が溢れる。部下、戦々兢々。
【切腹より撤退】藤吉郎釜ヶ崎の退き口。元亀元年(1570)4月20日
見栄と外聞を捨てて生き残りを図る。信長、正親町天皇の綸旨による勅命講和。
★【信長包囲網】戦国時代末期より安土桃山時代にかけて発生した反織田信長連合。
信長包囲網、第一次-第三次包囲網。
1570元亀元年(1570年)4月、浅井氏、三好三人衆、荒木氏、一向衆の叛旗。
1571元亀2年(1571年)織田信長と足利義昭の対立。織田信長と足利義昭の対立。武田信玄の死と包囲網瓦解
1576天正4年、毛利氏、上杉氏の本格介入と松永久秀の謀叛。
【信長包囲網第1次】元亀元年、生涯最大の窮地、志賀の陣、正親町天皇の綸旨による勅命講和。
【信長包囲網第2次】天正元年足利義昭との戦い。天皇による勅命講和。
【信長包囲網第3次】天正8年石山本願寺との戦い。天皇による勅命講和。
★織田信長、藝術と創造と革新
【織田信長】1534-1582
【狩野永徳】1543-1590
★1574【織田信長】狩野永徳『洛中洛外図屏風』(1565)
将軍足利義輝が日本最高の絵師、狩野永徳に描かせ、永禄8年(1565)に完成。義輝没後に織田信長が入手して、上杉謙信へ贈った。1574年
★1579【安土城の謎】天正七1579年竣工、織田信長、安土城天主、七層建て五階六階の塔。仏教、儒教、道教の世界観の絵画。
1567【天下布武】沢彦宗恩が、伝授。臨済宗妙心寺派の僧が、教示。
「天下布武」、公家と寺家、天皇官僚制と旧制度を破壊することを目指した。
★織田信長が、恐れた武将は、二人だけである。
【武田信玄】1521-1573 【上杉謙信】1530-1578
1553-64【戦国史上最大の戦い】武田信玄、上杉謙信。川中島の戦い、5回、12年余りに及ぶ。
1560【桶狭間の戦い】織田信長、3千の兵で、5万の今川義元を破る。
1571【比叡山】元亀二1571年、比叡山延暦寺、根本中堂、焼き討ちは無かった。小和田哲男
1580【南蛮寺】天正八1580年、織田信長、安土城下、南蛮寺建設許可。【ルイス・フロイス】永禄十二1569年、織田信長、ルイス・フロイスに京都居住、キリスト教布教を許可。
【楽市楽座】織田信長。楽市楽座、公家、寺院を追いつめる。
【堺を支配】直轄地。足利義昭に要求。堺、大津、草津に代官設置。
【織田信長をめぐる美女】
【生駒吉乃】織田信長、最愛の女、生駒吉乃は超美人。情報収集に優れる豪商の娘。【美人薄命】織田信長、最愛の女、生駒吉乃は奇妙丸を産み、三九歳で死ぬ。
【絶世の美女、織田信長、妹お市】美貌と悲劇的な生涯。絶世の美女と謳われながら、二十一歳までどこにも嫁がずにいた。
浅井長政 の元にお市が嫁ぎ、婚姻関係となった浅井家と織田家は同盟を結ぶ。六角家を浅井家と共同で攻撃して、滅亡させる。浅井長政は、義を重んじて 「朝倉家」 に付くことを決意。「金ヶ崎」で 朝倉家 と対陣中だった織田軍を攻撃する準備を進める。
信長の妹「お市」は、「陣中見舞い」 と称して袋の両端を紐で結んだ小豆を信長に送った。 信長はこれを見て、「織田軍が前も後ろも塞がれている」ことを悟り、浅井家が寝返った事を察した。
長 は浅井家攻撃の準備を進め、そして再び近江に出陣、浅井軍は朝倉家に救援を求め、浅井・朝倉連合軍 として 織田家 と対峙する。
この戦いは「姉川の合戦」と言われ、織田信長 の生涯の中でも1つのポイントになった戦い。「姉川の合戦」で、兵力に勝る織田軍は合計 13 段の陣を構えた。多重の陣で浅井家の突撃を抑える作戦。
【髑髏盃】織田信長。天正二年一月一日、織田信長が義景、浅井久政長政父子のどくろの杯で酒宴を楽しむ。三つの首。親衛隊馬廻衆に酒宴。しかし、信長は酒を飲まなかった。
【織田信長 茶会】千利休は51歳の1573年、1575年(53歳)に、織田信長主催の京都の茶会に参加。茶会は宴会。利休は、信長と48歳、1570年、出会う。
羽柴秀吉、柴田勝家、池田恒興、丹羽長秀などの織田家臣、茶の湯に励む。
1582年6月1日【織田信長 最期の茶会】天正十年、本能寺にて信長が茶会。
利休60歳。信長48歳。1582年6月1日、本能寺にて信長が自慢のコレクションを一同に披露する盛大な茶会が催される。この夜、信長は明智光秀の謀反により、多数の名茶道具と共に炎に散った。
【本能寺の変】天正十年、6月1日夜。明智光秀、謀反の原因。怨恨説、野心説、黒幕説。
怨恨あり得ない。小和田哲男、谷口克広『集中講義』P.166
【当世一の美女、信長の妹】お市、弘治三年(一五五七)から信長と一緒に清洲城で暮らす。二十一歳まで嫁がず。
【悲劇の美人三姉妹】信長の姪、浅井三姉妹、武将浅井長政と正室市との間に生まれた3人の娘、茶々、初、江。各々、豊臣秀吉・京極高次・徳川秀忠の妻(正室・側室)となった。織田信長の姪という血筋に生まれ、悲劇の美人三姉妹。
【織田信長の趣味】
「夢幻のごとくなり、一度生を享け、滅せぬもののあるべきか」桶狭間の合戦出陣の際に舞う。幸若舞「敦盛」の一節「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり、一度生を享け、滅せぬもののあるべきか」、螺ふけ、具足をよこせ。
桶狭間の合戦、今川義元の率いる二万五千の軍に対し、四千名の手勢で急襲、出陣の際に舞った。
1574【蘭奢待】東大寺蘭奢待を切らせる。
1575【茶会】天正三年、茶会に利休を招く。
1576【安土城】天正四年、築城開始、狩野永徳を安土城天主閣障壁画に起用。
天正七年、天主閣完成。7階5層。天正十年、炎上。
―――
★狩野永徳「洛中洛外図屏風」1565年
★織田信長
★【織田信長】参考文献
小和田哲男『集中講義 織田信長』新潮社
小和田哲男『戦国合戦事典』PHP 文庫
小和田哲男『名城と合戦の日本史』新潮社
小和田哲男監修『芸術・美術・建築からわかる日本史』
小和田哲男「洛中洛外図 日付から読み取れた信長の恐るべき外交術」2002
小和田哲男『日本国宝物語』ベスト新書
泉秀樹『戦国なるほど人物事典』PHP文庫2003
泉秀樹『織田信長と戦国武将天下取りの極意』講談社+α文庫 2007
泉秀樹『戦国武将伝 織田信長』PHP2004
谷口克弘『織田信長合戦全録』中公新書
『図解 戦国史』成美堂出版
堺屋太一他『信長 天下一統の前に悪などなし』プレジデント社2007
黒田日出男『謎解き洛中洛外図』岩波新書1996
黒田日出男「狩野永徳《上杉本洛中洛外図屏風》金雲に輝く名画の謎を読む」
http://artscape.jp/study/art-achive/1207045_1982.html
大久保正雄2016年7月30日
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