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2016年7月27日 (水)

エウリピデス『王女メデイア』 アルゴ号の航海、金毛羊皮を求めて

MedeaCappadocia_2016大久保正雄「地中海紀行」第63回
エウリピデス『王女メデイア』 アルゴ号の航海、金毛羊皮を求めて

黄昏の丘、黄昏の森を歩いて、迷宮の図書館に行く。夕暮れの神殿。
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝らの知る一切であり、知るべきすべてである。
美しき者よ、汝、死の灰の中から、蘇れ。地上に、汝の精神を刻印せよ。
汝を、美しい女神が舞い降りて救う。

*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』

エウリピデスの悲劇は、マケドニア人、マケドニア王室に愛された。
『王女メデイア』の詩は、「クレオパトラの結婚式」で、フィリッポス2世暗殺に、アレクサンドロスによって、用いられた。
ヘレニズム時代、アレクサンドロスによって、地中海に広められた。

★エウリピデス『王女メデイア』上演BC431 年
初期の傑作『王女メデイア』は、コルキスの王女メデイアの物語である。魔術に通暁したメデイアは、愛するイアーソンのために国宝「黄金の羊皮」を盗み出して、実弟を惨殺し、イオルコスにイアーソンとともに行く。だがペリアスは王位返還に応じない。王位を簒奪したイアーソンの伯父ペリアスを殺し、復讐者に追われた彼らはコリントスに亡命する。コリントス王クレオンの求めに応じて、イアーソンはコリントス王女グラウケと結婚するため妻を棄てようとした。メデイアはイアーソンに怨みを晴らすため、毒薬を施した衣を贈りコロントス王女を焼き殺しその父親もろとも殺害、イアーソンとの間に生れた我が子をも殺し、復讐を遂げる。
メデイアは、我が子を殺した後、太陽神(ゼウス)*から贈られた有翼の龍車にのり、アテナイに逃亡、その地でパンディーオーンの子アイゲウスの妻となる。

■【アルゴ号の遠征】王位奪還
金毛羊皮を求めて旅に出る。
【航海の目的】
王位奪還
イアーソンは、故国イオルコスに戻って、叔父ペリアスに王位の返還を求めた。ペリアスは王位を返還する条件として、コルキスにある金毛羊皮(黄金の羊の毛皮)を取ってくるよう命じる。
【王位を奪われた父王アイソン】イアーソンの叔父ペリアスは、海神ポセイドンの息子、イアーソンの父王アイソンとは胎違いの兄弟。ペリアスによって父王アイソンは幽閉され王位を奪われた。幼いイアーソンは息子の身を案じた両親によってケイロンに預けられた。(ケイロン=半人半馬で音楽、弓術、医術に秀でる怪物)
【金毛羊皮】
金羊とは、海神ポセイドンとトラキアの王女テオパネとの間に生まれた金の羊。金羊は、コルキスの王女の代わりにゼウスの生贄にされた。毛皮は、コルキスの王によって、龍が番人を務める樫の木に吊るされた。
【女神ヘラ】
女神ヘラは、イアーソンの仲間として50人の屈強な若者を集めた。英雄ヘラクレス、テセウス、船大工アルゴス、アテナから航海術を伝授されたティピュス、竪琴の名人オルペウス。【アルゴ号の建造】船大工アルゴス、アテナの航海術によって、巨大な船を作った。
【コルキス王アイエテス】
イアーソンは、コルキス王に、金毛羊皮を譲ってくれるよう頼む。コルキス王は、イアーソンに条件を出す。
「1、青銅の足をもち、口から火を吐く牝牛で軍神アレスの聖地を耕すこと。2、竜の歯を撒き、土から出てくる戦士をすべて退治すること。」
イアーソンは、途方に暮れる。
女神ヘラは、アプロディーテーに頼んで、エロースに、コルキス王の娘メデイアが、イアーソンに恋するよう「金の矢」を射掛けさせた。
イアーソンに一目惚れしたメデイアは、イアーソンに魔法の薬草を渡し、この薬草を塗って不死身の体にした。メデイアは、金毛羊皮の番人の竜を眠らせて、イアーソンは金毛羊皮を奪った。イアーソンのアルゴ号は、船出した。コルキス王の軍隊が追ってきて、捉えようとした。メデイアは、コルキスの王子アプシュルトス=弟を殺害した。分断した遺体を海に撒いた。
メデイアは、イアーソンと航海の途中、島で結婚する。
【イオルコス王ペリアス】
金毛羊皮を持ち帰ったイアーソンだが、イオルコス王ペリアスは、金毛羊皮を受け取って、王位を返還しない。
メデイアは、イオルコス王の娘たちに「若返りの薬」があると言って近づく。イオルコス王ペリアスを切り刻んで大釜に入れ、「若返りの薬」を入れず、ペリアスは若返らず、命を落とす。
【コリントス王】
イアーソンは、イオルコスに居られなくなり、コリントスに行く。コリントス王から、娘グラウケの婿になってくれとの申し出を受け入れる。
【裏切られた王女メデイア】
裏切られた王女メデイアは、イアーソンとの間に生まれた子たちを殺害し、復讐を果たす。これは、エウリピデスの創案による。
メデイアは、ゼウスによって救われる。

エウリピデスの悲劇は、マケドニア人、マケドニア王室に愛された。『王女メデイア』の詩は、フィリッポス2世暗殺に、アレクサンドロスによって、用いられた。

★アレクサンドロスの妹クレオパトラの結婚式
側近護衛官パウサニアスに暗殺される
紀元前336年、夏、旧都アイガイで、アレクサンドロスの妹クレオパトラとエペイロス王アレクサンドロスが結婚式を挙げる。この結婚は、エペイロス王国とマケドニア王国の関係を修復するために、フィリッポス2世が画策したものである。クレオパトラはオリュンピアスの娘で、アレクサンドロスはオリュンピアスの弟であるから、2人は叔父と姪の関係であり、互いに幼なじみであった。クレオパトラは19歳、アレクサンドロスは25歳であった。政略結婚であるが良縁であった。結婚の祝宴で、フィリッポス2世が、貴族パウサニアスに劇場で、暗殺される。側近護衛官パウサニアスは、アッタロスに侮辱されたことに怨恨を抱き、それを罰しないフィリッポス殺害を実行した。
★フィリッポス暗殺事件
フィリッポス暗殺事件は、王妃オリュンピアスとその子アレクサンドロスが蔭で糸を引いた暗殺である。アレクサンドロスは、パウサニアスに、エウリピデスの悲劇の詩を引用して、「聞けば、汝、嫁の親と婿と嫁とを、脅しているという」(『メデイア』)と言って殺害を使嗾(しそう)した。アッタロスとフィリッポスとクレオパトラが、クレオンとイアソンとグラウケに対応するのであり、フィリッポスを殺すべしと指示したのである。メデイアが復讐したように、オリュンピアスは復讐を果たしたのである。フィリッポスは、47歳で死んだ。かくして、アレクサンドロスがマケドニアの王に即位した。★
★Pasolini, Medea 1969 ★Maria Callas
★ Cappadocia
★【参考文献】
文献目録、下記ページ参照。
トロイア戦争の始まり 失われた『叙事詩の円環』
https://t.co/JjeYXXOypq
旅する詩人、エウリピデス ギリシア悲劇の極致
https://t.co/BIXeFsq7GS
マケドニア王国 フィリッポス2世の死 卓越した戦略家
https://t.co/xcCI2H0le5
大久保正雄Copyright2016年7月27日

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