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2020年10月25日 (日)

「桃山―天下人の100年」2・・・金碧障壁画、織田信長と狩野永徳、秀吉と長谷川等伯

Kanou-eitoku
Momoyama-2020
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』227回

織田信長の築いた城、麒麟の城 小牧山城。天下布武の城、岐阜城。第六天魔王、幻の安土城。「理想に近づこうと努力すればするほど、理想は遠ざかっていくものだ。しかし、理想の実現よりも、はるかに価値あることは、熱い思いをもって前に進み続けることである」(ガンジー『魂の言葉』)
【天下一の優れた才能を集める織田信長、鸞翔鳳集】信長のもとに集まった才能。千宗易、狩野永徳、軍師、沢彦宗恩、祐筆、武井夕庵、野面積み、穴太衆、本因坊算砂、清玉上人、弓衆、太田牛一。【天下布武】武の七徳を備えたものが天下を治める。七徳は、暴を禁じ、戦をやめ、大を保ち、功を定め、民を安んじ、衆を和し、財を豊かにする。
織田信長の弓衆、太田牛一が信長の上洛(1568)から本能寺の変(1582)までを記録した。
【安土城】『信長公記』巻九「安土山御天主の次第」天正4(1576)年
「上七重め、三間四方、御座敷の内、皆金なり。そとがは、是れ又、金なり。四方の内柱には、上り龍、下り龍、天井には天人御影向の所、御座敷の内には、三皇、五帝、孔門十哲、商山四皓、七賢などをかかせられ、ひうち、ほうちゃく、数十二つかせられ、狭間戸鉄なり。数六十余あり、皆、黒漆なり。御座敷の内外柱、惣々、漆にて、布を着せさせられ、その上、皆黒漆なり」
――
【狩野永徳、金碧障壁画】狩野永徳(1543‐1590(天文12‐天正18)が金碧濃彩、金箔の上に描いた金碧障壁画はほとんど消滅した。琵琶湖湖畔に構築した安土城天主閣、天正4(1576)年竣工、天正10(1582)年本能寺の変の10日後、焼失。安土城と聚楽第は、1582年本能寺の変、1595年秀次自刃で灰燼に帰す。狩野永徳は、悲劇の絵師である。
狩野永徳は、現存する作品は約10点。「洛中洛外図屏風」「唐獅子図屛風」「檜図屛風」「花鳥図襖」(聚光院)、「許由巣父図」(東京国立博物館蔵)「伯夷叔斉図」。
【狩野永徳、怪々奇々】狩野永徳は1543(天文12)年、狩野派三代目棟梁・狩野松栄の長男源四郎として生まれる。幼少時から画才を発揮し、天文21(1552)年10歳のとき祖父・元信に伴われ、将軍・足利義輝に謁見(『言継卿記』)。20代前半で《洛中洛外図屏風 上杉本》(1565)、父松栄とともに三好長慶の菩提を弔って永禄9(1566)年に創建された「四季花鳥図」大徳寺聚光院の「花鳥図襖」を制作した。34歳(天正4、1576)のとき織田信長の絵師となる。秀吉の聚楽第、大阪城に携わる。京狩野二代目・狩野山雪とその子・永納『本朝画史』(1693)は、永徳を「恠恠奇奇(怪々奇々)、自ずから前輩不伝の妙を得て、もって一時に独歩す」と評し、国宝「檜図屏風」はこの一節を象徴する永徳最晩年の作と考えられている。天正18 (1590) 年歿、48才。
【長谷川等伯と秀吉】長谷川等伯は、大徳寺「山水図襖」(天正17(1569)年)を描き、秀吉の命で、秀吉の子鶴松が3歳にして亡くなった菩提寺、祥雲寺「楓図壁貼付」文禄元年(1592)を描く。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
<参考文献>「朝日日本歴史人物事典」『障壁画全集 大徳寺真珠庵・聚光院』、土居次義『永徳と山楽』、武田恒夫『日本の美術94号 狩野永徳』(至文堂)
――
展示作品の一部、狩野永徳、長谷川等伯
狩野永徳 国宝「檜図屏風」安土桃山時代・天正18年(1590)東京国立博物館蔵
狩野宗秀「織田信長像」天正11年(1583) 愛知・長興寺 重要文化財 11月3日
 信長の一周忌に信長の家臣、与語久三郎正勝が狩野永徳の弟、狩野宗秀に描かせたもの。
長谷川等伯 国宝「楓図壁貼付」安土桃山時代・文禄元年(1592)頃 京都・智積院蔵
長谷川等伯 国宝「松林図屏風」安土桃山時代。六曲一双 16世紀 東京国立博物館蔵
草稿ともいわれる。靄に包まれて見え隠れする松林のなにげない風情を、粗速の筆で大胆に描きながら、観る者にとって禅の境地とも、わびの境地とも受けとれる閑静で奥深い表現をなし得た。等伯(1539-1610)の画技には測り知れないものがある。彼が私淑した南宋時代の画僧牧谿の、自然に忠実たろうとする態度が、日本において反映された希有の例であり、近世水墨画の最高傑作。東京国立博物館
狩野山雪 重要文化財「籬に草花図襖」江戸時代(1631)京都・天球院蔵
紺糸威五枚胴具足 安土桃山~江戸時代・16~17世紀 宮城・仙台市博物館蔵
曽我直庵筆「龍虎図屛風」安土桃山~江戸時代・16~17世紀 東京国立博物館蔵
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重要文化財「泰西王侯騎馬図」神戸市美術館、17世紀に描かれた洋風画、
神聖ローマ皇帝、トルコ皇帝、モスクワ大公、タタール王が描かれている。
重要文化財 鶴下絵三十六歌仙和歌巻、(書)本阿弥光悦筆、(絵)俵屋宗達筆、江戸時代・17世紀 京都国立博物館蔵
――
狩野永徳の作品
松に叭々鳥・柳に白鷺図屏風 六曲一双 紙本墨画 - 九州国立博物館蔵
瀟湘八景図 一幅 紙本墨画 - 個人蔵(九州国立博物館寄託、黒田侯爵家旧蔵
現存しない作品
安土城障壁画 - 天正4年(1576年)
大坂城障壁画 - 天正13年(1585年)
聚楽第障壁画 - 天正15年(1587年)
天瑞寺障壁画 - 天正16年(1588年)天瑞寺は大徳寺内に秀吉が創建したものだが明治7年(1874年)、廃寺になった際、建物とともに障壁画も失われたとされる。
所在不明の作品
安土城之図 - 天正9年(1581年)以前
天正9年(1581年)、織田信長が安土を訪れた宣教師・ヴァリニャーノに贈った安土城之図屏風は、「日本で最も優れた職人」「画筆を動かすのに最も巧なる画工」といた史料の記述から永徳筆と考えられている
――
参考文献
「桃山―天下人の100年」2・・・金碧障壁画、織田信長と狩野永徳、秀吉と長谷川等伯
https://bit.ly/31DlCc0

「桃山―天下人の100年」東京国立博物館・・・室町幕府崩壊、戦国武将、愛と復讐の壮大なドラマ
https://bit.ly/3lDIoIq
織田信長、本能寺の変、孤高の城、安土城、信長の価値観
https://bit.ly/39FAMQc
織田信長、第六天魔王、戦いと茶会・・・戦う知識人の精神史
https://bit.ly/3gqTr5n
織田信長、茶を愛好、本能寺の変、天下布武、天下の三肩衝・・・戦う知識人の精神史
https://bit.ly/2R1G0fU
林進「宗達を検証する」(10)風神雷神図屏風と伊勢物語図色紙の成立
http://atelierrusses.jugem.jp/?cid=22
――
特別展「桃山―天下人の100年」東京国立博物館 平成館 特別展示室
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2043
2020年10月6日(火) ~ 2020年11月29日

2020年10月14日 (水)

「桃山―天下人の100年」東京国立博物館・・・室町幕府崩壊、戦国武将、愛と復讐の壮大なドラマ

Momoyama-2020-1
Kanou-eitoku-1565
Hasegawa-touhaku-kaedezu-1592
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』226回

金木犀の香り漂う森を歩いて博物館に行く。戦国時代は、愛と復讐の壮大なドラマが展開した。エリザベス朝悲劇と同時代である。
【戦国武将の死】将軍足利義輝、三好三人衆が暗殺(永禄の変)、足利義昭、遺志を継ぐ。元亀4年(1573)、幕府滅亡。戦国最強の武将、上杉謙信は川中島の戦いで武田信玄に勝つ。武田信玄は人望あり「人は石垣、人は城」、52歳で病死。1578年、上杉謙信は49歳で飲酒死。明晰透徹な織田信長は、1579年、藝術の極致、安土城建築、1582年、光秀の謀反で、49歳で死ぬ。
【藝術を愛好した信長】織田信長は、千宗易を登用、狩野永徳を重用し、茶の湯の天下の名器を集め、穴太衆を採用、天下の名人を発掘、名城安土城を築き、志半ばで世を去る。正親町天皇は、戦乱をくぐりぬけ天正14年69歳まで生きる。
【バロックと戦国】織田信長は、揚羽蝶模様の陣羽織を纏って指揮。信長は西洋甲冑を着て、世界制覇を狙うイエズス会士フランシスコ・カブラルと対峙。宣教師から武器調達、タイ製弾丸で長篠の戦いに勝つ。
1563年ルイス・フロイス来日、1571年レパントの海戦、1575年長篠の戦、石山本願寺戦争1570-80、「宣教師の征服計画」秀吉、グネツキ・オルガンティノ、高山右近説得(聖イグナシオ洞窟教会)、国友火縄銃、石山戦争終結。「われは神である」信長、1582年6月2日、本能寺の変で自刃。
1598年9月13日、ハプスブルグ帝国フェリペ2世の死後、5日後に、秀吉は61歳で死ぬ。
【織田信長、安土城、狩野派】この世から消滅した狩野派絵画、安土城。天主、7層5階。地上5階地下2階。7階、信長の部屋、6階は儒教、「孔門十哲」「三皇五帝」、5階は仏教、「釈迦十大弟子」「釈迦説法」、3階は花鳥図、「岩の間」「竹の間」「松の間」。2階は道教、「呂洞賓図」「西王母」。天正四~七年、安土城天主完成。天正十年6月2日、本能寺の変の8日後、炎上する。太田牛一『安土日記』『信長公記』
【利休切腹】天正19(1591)年京都に呼び戻された利休は聚楽屋敷内で切腹を命じられる。享年69。切腹に際しては、弟子の大名たちが利休奪還を図るおそれがあり、秀吉の命令を受けた上杉景勝の軍勢が屋敷を取り囲んだ。死後、利休の首は一条戻橋で梟首された。首は賜死の一因ともされる大徳寺三門上の木像に踏ませる形で晒された。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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展示作品の一部
織田信長像、狩野宗秀、天正11年、1583、愛知、長興寺、重文
唐獅子図屛風、狩野永徳筆 安土桃山時代・16世紀 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
国宝 洛中洛外図屛風(上杉家本)狩野永徳筆 室町時代・永禄8年(1565)山形・米沢市上杉博物館蔵
織田信長が、上杉謙信に贈った。京の都を描いた屛風。狩野永徳が23歳で描いた。天を突くように聳える相国寺の七重の搭、金雲の間に見え隠れする色鮮やかな景物が、都の雰囲気を伝える。
国宝 檜図屛風 狩野永徳筆 安土桃山時代・天正18年(1590) 東京国立博物館蔵
天正18年(1590)、秀吉の命により建てられた八条宮(後の桂宮家)邸を飾った襖絵。信長、秀吉に好まれ桃山画壇を牽引した狩野永徳の力強い描写が辺りを威圧する生命感。
国宝 楓図壁貼付、長谷川等伯筆 安土桃山時代・文禄元年(1592)頃 京都・智積院蔵
秀吉が、3歳で夭折した長男鶴松の菩提を弔うために建立した祥雲寺(現在の智積院)の襖絵。狩野永徳の大画様式にもとづきながら叙情性が加えられている。
重要文化財 四季花鳥図屛風、狩野元信筆 室町時代・天文19年(1550)兵庫・白鶴美術館蔵
狩野派による金屛風のうち、制作年が明らかな最古例の一つ。画中に作者の狩野元信(1477~1559)自身による生年入りの落款があり。
重要文化財  豊国祭礼図屛風、岩佐又兵衛筆、江戸時代・17世紀 愛知・徳川美術館蔵
慶長9年(1604)8月に行われた秀吉7回忌の臨時祭礼の情景を描いたもの。豊国神社と方広寺大仏殿を背景として、秀吉を追慕し、祭りを楽しみ熱狂する人々の様子が描かれる。
重要文化財 鶴下絵三十六歌仙和歌巻、(書)本阿弥光悦筆、(絵)俵屋宗達筆、江戸時代・17世紀 京都国立博物館蔵
大胆に描かれた鶴の群れ。そこに和歌を配置するの、光悦の腕の見せどころ。桃山美術の到達点を示す、光悦と宗達の合作。
重要文化財 銀伊予札白糸威胴丸具足、安土桃山時代・16世紀 宮城・仙台市博物館蔵
伊達政宗が豊臣秀吉より拝領した甲冑で、全身の防具を揃いの仕立てに誂える「当世具足」の形式が整いつつあったころの名品。
重要文化財 紺糸威南蛮胴具足、安土桃山~江戸時代・16~17世紀 東京国立博物館蔵
関ヶ原の合戦の直前、徳川四天王のひとり榊原康政(さかきばらやすまさ)が家康から拝領した甲冑です。兜と胴はヨーロッパの甲冑を参考にしたもの。
本庄正宗、長船長光、徳川将軍家ゆかりの名刀を収めた刀装「黒漆打刀」2口が初公開。伝家の宝刀 #本庄正宗 と、家康から紀州徳川家・頼宣に伝わった太刀 #長船長光 の刀装で、残念ながら刀身は戦後、連合国軍総司令部(GHQ)に供出され、行方不明
重要文化財 聖フランシスコ・ザビエル像、神戸市立博物館
国宝 檜図屏風 狩野永徳筆、東京国立博物館
国宝 松林図屏風 長谷川等伯筆、東京国立博物館
重要文化財 花鳥蒔絵螺鈿聖龕、九州国立博物館
重要文化財 泰西王侯騎馬図屏風、神戸市立博物館
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参考文献
織田信長、本能寺の変、孤高の城、安土城、信長の価値観
https://bit.ly/39FAMQc
織田信長、第六天魔王、戦いと茶会・・・戦う知識人の精神史
https://bit.ly/3gqTr5n
織田信長、茶を愛好、本能寺の変、天下布武、天下の三肩衝・・・戦う知識人の精神史
https://bit.ly/2R1G0fU
織田信長の苦悩、信長と道三、復讐の嵐。連動する美濃と尾張、帰蝶と絶世の美女、生駒吉乃
https://bit.ly/2ZvHEwX
「京都―洛中洛外図と障壁画の美」・・・幻の花の都
https://bit.ly/2GDWgUp
長谷川等伯展・・・荒寥たる自然と生命の美
https://bit.ly/3mZhoEI

「桃山―天下人の100年」東京国立博物館・・・室町幕府崩壊、戦国武将、愛と復讐の壮大なドラマ

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政治史における安土桃山時代は、1573年の室町幕府の滅亡から1603年の江戸幕府開府までの30年間をさします。この30年間に花開いた、日本美術史上もっとも豪壮で華麗な「桃山美術」を中心に、室町時代末期から江戸時代初期にかけて移り変わる日本人の美意識を数々の名品によってご紹介します。
戦国の幕開けを象徴する鉄砲伝来が1543年、島原の乱鎮圧の翌年、ポルトガル船の入国を禁止し、鎖国が行われたのが1639年。豊臣秀吉が北条氏を滅ぼし天下統一を果たした1590年が、その100年間のほぼ中間地点といえます。安土桃山時代を中心として、日本は中世から近世へ、戦国武将が争う下剋上の時代から、江戸幕府による平和な治世へと移り変わります。本展は、室町時代末期から江戸時代初期にかけての激動の時代に生まれた美術を概観し、美術史上「桃山時代」として語られるその美術の特質を、約230件の優品によってご覧いただこうというものです。
激動の時代に、「日本人」がどう生き、どのように文化が形作られていったのか、約100年間の美術作品を一堂に集め概観することで、日本美術史のなかでも特筆される変革の時代の「心と形」を考える展覧会です。
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2043
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特別展「桃山―天下人の100年」 東京国立博物館 平成館 特別展示室
2020年10月6日(火) ~ 2020年11月29日

2020年9月29日 (火)

「竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス」・・・生きとし生けるもの、一切衆生悉有仏性

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』225回
京都画壇最高峰の画家、竹内栖鳳(1864‐1942)は、四条派、円山派、狩野派、日本画すべての手法を身につけ、鵺派と呼ばれる。1900年36歳の時、7ヶ月ヨーロッパを旅した。ヨーロッパ美術に衝撃を受け西洋美術の写実技法を身につけ、外形の写実ではなく、本質を捉えることを追求した。東の横山大観の朦朧派、西の竹内栖鳳の鵺派と並び称される。
【生きとし生けるもの、一切衆生悉有仏性】
日本美術が前提とする世界観とは何か。
生きとし生けるもの、歌を詠まないものはあるか。だが、諸法無我、天地万物あらゆるものには不滅の実体はない。諸法無我と一切衆生悉有仏性(『涅槃経』『如来蔵経』『勝鬘経』)は矛盾する。「龍樹の空思想と如来蔵思想は対立する」立川武蔵『日本仏教の思想 受容と変容の千五百年史』P96『空の思想史』。一切衆生悉有仏性(『涅槃経』『如来蔵経』『勝鬘経』)。
やまと歌は、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。
花に鳴く鶯、水にすむ蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける。
力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女の仲をも和らげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり。『古今和歌集』紀貫之「仮名序」
――
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。
美しい夕暮れ。美しい魂に、幸運の女神が舞い降りる。美しい守護霊が救う。美しい魂は、輝く天の仕事をなす。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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【世界観の研究】教養課程の時「ギリシア神話の世界観」という授業があった。イタリア人の哲学教授、ハンニバル先生の講義。先生は「世界観の研究」を研究していた。「ギリシア神話の世界観」。「キリスト教の世界観」。「量子物理学の世界観」とは何か。イタリア人教授は大学を去り、祖国に帰った。私は、博士課程でプラトン哲学を研究した。その後、空海密教の世界観を研究した。
日本美術が前提とする世界観とは何か。
【初転法輪の仏陀、四諦、原始仏教】仏陀は、人生を苦とみた。四諦は仏陀が最初の説法で説いた。『阿含経』四諦、苦諦と集諦は、迷妄の世界の果と因とを示し、滅諦と道諦は、証悟の世界の果と因とを示す。苦諦【四苦八苦。生老病死、怨憎会苦、愛別離苦、求不得苦、五蘊盛苦】集諦、貪欲や瞋恚、愚痴などの心の汚れその根本である渇愛【十二縁起。十二因縁の支分は、無明、行、識、名色、六処、触、受、愛、取、有、生、老死】滅諦【苦しみの消滅の真理】道諦【八正道、正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定】『阿含経』
――
【逆境と戦う藝術家、運命と戦う思想家】売れない藝術家は、どう逆境を超えるか。運命と戦う思想家は、どう運命を変えるのか。
【上智と下愚とは移らず】最上の知者は悪い境遇にあっても下落せず、最下の愚者は 、どんなによい境遇にあっても向上しない。どんなに地位と肩書が高くて富裕でも、知性の貧困は隠せない。地位と肩書が高く高度な職業でも、魂の貧困は隠せない。「論語」陽貨篇。
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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展示作品の一部
竹内栖鳳《班猫》1924(大正13)年《みゝづく》1933(昭和8)年頃 絹本《蛙と蜻蛉》1934(昭和9)年 紙本《鴨雛》《憩える車》、柴田是真《墨林筆哥》、西村五雲《白熊》、西山翠嶂《狗子》、小林古径《猫》1946(昭和21)年、橋本関雪《霜の朝》、奥村土牛《兎》、速水御舟《昆虫二題 葉蔭魔手・粧蛾舞戯》1926(大正15)年、山口華楊《生》、守屋多々志《西教伝来絵巻》試作、守屋多々志『慶長使節支倉常長』1981(昭和56)年 紙本・彩色 西山翠嶂《狗子》1957(昭和32)年 絹本
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竹内栖鳳展 近代日本画の巨人・・・哀愁のイタリア、『ベニスの月』
https://bit.ly/2Fjzgcx
「円山応挙から近代京都画壇へ」藝大美術館・・・円山応挙「松に孔雀図」大乗寺
https://bit.ly/2KEGwyj
『班猫』(重要文化財)大正13(1924)年 山種美術館 展示期間:9/25~10/14(東京展)、11/12-12/1(京都展)
速水御舟『炎舞』『粧蛾舞戯』『名樹散椿』、山種美術館・・・舞う生命と炎と闇
https://bit.ly/2KCbOrW
細川家の至宝、珠玉の永青文庫コレクション・・・織田信長「天下布武」と菱田春草「黒き猫」
https://bit.ly/2Pjv8Kx
上村松園と美人画の世界・・・肉体の美と叡智
https://bit.ly/2GXmVru
「桜 さくら SAKURA 2020 ―美術館でお花見 ! ―」山種美術館・・・花の宴
https://bit.ly/2UUizJw

「竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス」・・・一切衆生悉有仏性

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「竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス」山種美術館、2020年9月19日(土)から11月15日(日)まで
https://www.yamatane-museum.jp/index.html

2020年9月26日 (土)

「工藝2020-自然と美のかたち-」東京国立博物館・・・道を極める名人の世界

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』224回
奥田小由女「海から天へ」は、海から天に上る母と子、霊たちを人形の形にしている。作者83歳の作品。85歳である現在まで、作品を作り続けることは奇跡である。千年を超える漆藝の歴史を踏まえ蒔絵と螺鈿の技法を駆使する漆藝家、室瀬和美「柏葉蒔絵螺鈿六角合子」。志野焼、萩焼。楽焼、友禅染、久留米絣、更紗、人形、漆工、陶磁、名人たち82人の作品、崇敬に値する作品を見て驚嘆する。80歳90歳くらいの名人たち。師に出会い、若いころ学んで、90歳まで続けること、技術を洗練する、若い純粋な精神を持ち続けることは至難の業である。

哲学青年は「哲学は社会を生きるのに必要ない。役立たずの学問だ」といわれた。哲学青年は理念を探求して、現実の試練を受け、運命と戦う。理念と現実との調和は藝術において実現する。
純文学作家は10年続けることが困難だといわれる。「《純文学だけで生きられるか》純文学作家の「生きる糧」 芥川賞作家も副業は当たり前 「専業」はわずか1桁?」(毎日新聞2016年8月29日 東京夕刊)
【道を極める名人の世界】
人生で、よい師と出逢うことは、重要なことだ。しかし、よき師に出逢うことは困難である。求めて出逢うことは、まれである。師に出会い、技術を洗練する、若い純粋な精神を持ち続けることは至難の業である。
【創造的研究】研究には2種類ある。創造的研究と研究のための研究。高度に普遍的な学問はいくら究めても上には上がある。普遍的な学問は、他との競争に勝っても後世優秀な人に克服される。創造的学問は、他に類がないので究極的秘儀に立ち入る。ある建築家の教え。『旅する思想家』
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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展示作品の一部
三輪休雪、雪嶺、花器、2019
楽直入、十五代吉左エ門、焼貫黒楽茶碗、2001、
奥田小由女、海から天へ、2018、人形、個人蔵
林駒夫、呉女、人形、2015、個人蔵
中村信喬、遥かな道、2014、人形
室瀬和美、柏葉蒔絵螺鈿六角合子、漆工、2014、個人蔵
月岡裕二、截金砂子彩箔「凛」、截金、2015、個人蔵
今泉今右衛門、色絵雪花薄墨墨はじき雪松文蓋付瓶、陶磁、2019、個人蔵
伊藤祐司、赤富士、漆工、2015
村山明 欅緋拭漆舟形盛器 平成29年(2017) 個人蔵
鈴木蔵、志野茶碗、陶磁、2016
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参考文献
「工藝2020-自然と美のかたち-」青幻社、2020
読売新聞2020年9月6日、自然とともに 工芸の巨匠たち
「工藝2020-自然と美のかたち-」東京国立博物館・・・道を極める名人の世界
https://bit.ly/3i6wTHe

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工芸と日本人の自然観
本展は、日本の生活の器を造形する作家や芸術を創造する現代工芸作家を幅広い世代から集めて紹介する展覧会です。それとともに日本博の総合テーマである「日本人の自然観」について工芸を通して紹介していきます。日本の文化や工芸には、人間と自然は一つの生命であるという世界観を持ち、自然を美として調和として捉える芸術思想があります。それは時代と国境を越えた普遍性と融和性があります。これらの点を展示を通して感じていただくとともに、建築家・伊東豊雄氏の「自然と生命の輝き」をコンセプトとしたデザイン性の高い空間で展示することで、工芸のもつ魅力と可能性を国内外へ発信いたします。
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2042
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特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」東京国立博物館、表慶館、9月21日(月)~11月15日(日)

2020年9月20日 (日)

美術館スケジュール2020年第2巻・・・旅する哲学者 美への旅

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』223回

【神の怒り】人類史からみると人の密集した都市文明は異常である*。神々は、カネと地位に執着する人間たちに天罰を下す。戦争と疫病を起こす。
【人口削減計画】ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するためにテミスと試案を重ね、大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意をした。
https://bit.ly/2XoaNcd
緊急事態により、美術館、博物館は、臨時閉館になり、3月2日から6月まで、休館した。再開されたのは、6月30日ごろからである。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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失われた美を求めて
【失われた美を求めて、藝術家、思想家、皇帝は失われた価値を探求する】ヘレニズム彫刻を探求したミケランジェロ、ピュタゴラス文書を探求したプラトン、アルカイック彫刻を求めたローマ人、王羲之『蘭亭序』を求めた太宗皇帝李世民、古代の美を求めたレオナルド『レダ』1505、
【失われた美を求めて】ヌムール公ジュリアーノ・デ・メディチ、レオナルドに『婦人の肖像』を発注ラファエロに肖像画を描かれミケランジェロに霊廟を彫刻される。ジュリアーノ・デ・メディチは失われた時を求めた。
【失われた美を求めて、藝術家、思想家、皇帝は失われた価値を探求する】【失われた名城、安土城】5層7階、天正7年完成、天正10年、本能寺の変以後、消失。【曜変天目茶碗】足利義政が所有した。織田信長が手に入れ、本能寺の変以後、消失。
【信長の愛刀、義元左文字】桶狭間合戦(1560)の際に、織田信長が分捕った今川義元の愛刀。初め三好政長(法號宗三)の愛刀であつた
【書の秘宝 王羲之と太宗皇帝 『蘭亭序』】王羲之(303-361)は、東晋の貴族、権謀術数の官界を嫌い会稽県に赴任、永和九年(353)三月三日に会稽山の山陰の蘭亭にて曲水流觴の宴を開いて『蘭亭序』を書き、不滅の書の古典を残す。49歳。
【金と地位では買えない価値】お金で豪邸は買えるが 、家庭は買えない。高級時計は買えても、時間は買えない。本は買えても、知識 は買えない。地位や名誉は買えても、知識は買えない。美術品はカネで買えるが、美は買えない。真の知識、学問を手に入れるには、世間の抵抗と戦い、真の師匠を探さなければならない。【失われた美を求めて、藝術家、思想家、皇帝は失われた美を探求する】
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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美術館スケジュール2020年第2巻・・・旅する哲学者 美への旅

6月
「きもの展」東京国立博物館、6月30日から8月23日
7月
おいしい浮世絵展、森アーツセンター、7月15日(水)~9月13日(日)
STARS展、現代美術のスターたち、森美術館、2020.7.31(金)~ 2021.1.3(日)
8月
MANGA都市TOKYO、ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020、国立新美術館、8月12日(水)~11月3日(火・祝)
9月
【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス」山種美術館、2020年9月19日(土)から11月15日(日)まで
「ローマ教皇献呈画 守屋多々志《西教伝来絵巻》 試作」を併設展示
特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」東京国立博物館、9月21日(月)
10月
特別展「桃山―天下人の100年」東京国立博物館、10月6日
「KING&QUEEN展―名画で読み解く英国王室物語―」上野の森美術館、10月10日 (土) ~ 2021年1月11日 (月).
ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵
11月
琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術、アーティゾン美術館(東京・京橋)、2020年11月14日(土)~2021年1月24日(日)

「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」、江戸東京博物館、2020年11月21日(土) ~2021年4月4日 (日)

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振袖、鼠壁、縮緬地、波に千鳥裾模様、江戸時代、19世紀、京都文化博物館
単衣、鼠絽地、富士雲夕立模様、江戸時代、19世紀、奈良県立美術館
京都 輪違屋「打掛 紺繻子地鷲波松模様」「打掛 淡茶地鳳凰幔幕大太鼓模様唐織」「丸帯 紺地雲龍模様繻珍」明治~大正時代19~20世紀
特別展「きもの KIMONO」国立東京博物館・・・織田信長の陣羽織「黒鳥毛揚羽蝶模様」、戦国一の美女と落城
https://bit.ly/2NRghXr
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「法隆寺金堂壁画と百済観音」・・・法隆寺と百済観音の謎
https://bit.ly/2J66OZZ
「法隆寺金堂壁画と百済観音」・・・若草伽藍と聖徳太子の謎
https://bit.ly/2R8JNtG 
「出雲と大和」東京国立博物館・・・大海人皇子、大王から天皇へ
https://bit.ly/2ReO0wz 
特別展「きもの KIMONO」国立東京博物館・・・織田信長の陣羽織「黒鳥毛揚羽蝶模様」、戦国一の美女と落城
https://bit.ly/2NRghXr
STARS展、現代美術のスターたち、森美術館 ・・・資本主義史上最大の感染爆発、混迷する人類、救済する智慧はどこにあるか
https://bit.ly/30g3TY4
「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」東京都美術館・・・浮き世の遊宴と享楽と美女
https://bit.ly/30JCdd2
「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」・・・江戸人の味覚
https://bit.ly/3kwMEK0
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レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年記念「夢の実現」展・・・レオナルドの夢、ルネサンスの夢
https://bit.ly/38VLGjZ
ハマスホイとデンマーク絵画展・・・背を向けて佇む女、憂いを帯びる世界、だれもいない部屋
https://bit.ly/2RNIUq8
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展・・・ルネサンス、ヴェネツィアの放浪画家、マニエリスムの放浪画家
https://bit.ly/3g2iknx
「桜 さくら SAKURA 2020 ―美術館でお花見 ! ―」山種美術館・・・花の宴
https://bit.ly/2UUizJw
上村松園と美人画の世界・・・肉体の美と叡智
https://bit.ly/2GXmVru
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「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」東京国立博物館・・・空海、理念と象徴
https://bit.ly/3fyOaYF
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美術館スケジュール2020年・・・旅する哲学者
https://bit.ly/37QZThD 
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充実した年の記録
2019美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/2Z8f8AL
充実した年 2018美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/2YUXtwi 
2017美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/2YUzNbk 
2016美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅
https://bit.ly/31VeAjD

2020年8月10日 (月)

「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」・・・江戸人の味覚

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』222回

夏の午後、六本木に行く。人影まばらである。資本主義史上、最大のウィルス感染危機に襲われている。人の密集した都市文明は異常であるが、江戸人は、料理茶屋、歌舞伎、花見の宴、料亭の遊宴、都市人の楽しみに耽溺した。今、東京人は人形町「㐂寿司」、銀座「久兵衛」飯倉「野田岩」銀座「てんぷら近藤」に行く。
浮世絵は、有岡城主、荒木村重の遺児、岩佐又兵衛『洛中洛外図屏風』舟木本(1614‐15)が起源とされるが、菱川師宣(1618‐1694)が浮世絵の祖とされ、美人画が江戸人に流行した。
浮世絵の題材は、美人画、役者絵、芝居絵、名所絵、春画、花鳥画、多岐にわたるが、江戸の風俗史に欠かせない食事も、多くの絵師によって描かれたテーマである。
東京、日本橋には今も名店が軒を連ねる。すし・うなぎ・天ぷら・そば、季節に移ろう江戸を代表する料理。描かれた「日本の料理を食する」場面。食を描いた浮世絵の魅力、現代の暮らしにも通じる江戸の食文化、そして四季折々、江戸人が楽しんだ食材と料理法。
葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳も、江戸の食事の風景を描いた。
嬉々とした表情で喜んですしを嗜好する女を描いた国芳「縞揃女辨慶 (松の鮨)」、うなぎを手にする女「春の虹蜺」、名絵師が描いた食の場面。
北斎の「北斎漫画」、そばを食する姿を描いた作品がある、満開の桜に宴を楽しむ男女の姿を活写した三代歌川豊国「見立源氏はなの宴」。
「東海道五十三次、鞠子、名物茶店」は「梅若菜、丸子の宿のとろろ汁」芭蕉。安藤広重は、江戸の名店を主題とした「江戸高名會亭盡 両国柳橋 河内屋」、東海道の宿場町の連作「東海道五十三次」には、料理を楽しむ人々がいる。
――
【後藤新平、島村抱月、松井須磨子、与謝野晶子】後藤新平は、125年前1895年、日清戦争帰還兵を似島で3か月で30万人、コレラを検査と隔離によって防疫に成功した。
1918年、島村抱月がスペイン風邪で死去、2カ月後、女優松井須磨子が後追い自殺。与謝野晶子は、子供11人がいたが、1人が学校で感染して、家族全員が感染。スペイン風邪は、世界で5000万人死亡した。(『NationalGeogrephics』)
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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展示作品の一部
葛飾北斎「北斎漫画」
安藤広重「東海道五十三次」「鞠子、名物茶店」
安藤広重「江戸高名會亭盡 両国柳橋 河内屋」
国芳「縞揃女辨慶 (松の鮨)」「春の虹蜺」
三代歌川豊国「見立源氏はなの宴」
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参考文献
「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」・・・江戸人の味覚
https://bit.ly/3kwMEK0
「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」・・・浮き世の遊宴と享楽と美女
https://bit.ly/30JCdd2
「大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演」江戸東京博物館・・・謎の絵師写楽、画狂老人卍
https://bit.ly/35ywoAa
「大浮世絵展」・・・反骨の絵師、歌麿。不朽の名作『名所江戸百景』、奇想の絵師
https://bit.ly/34AB3Bz
「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」東京都美術館・・・世に背を向け道を探求する、孤高の藝術家
https://bit.ly/2BUy4rl
「新・北斎展」森アーツセンターギャラリー・・・悪霊調伏する空海、『弘法大師修法図』
https://bit.ly/2HAZJ5y 
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「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」
六本木ヒルズ52階、森アーツセンターギャラリーにて
2020年7月15日(水)~9月13日(日)〈事前予約制〉

2020年8月 1日 (土)

STARS展、現代美術のスターたち、森美術館 ・・・資本主義史上最大の感染爆発、混迷する人類、救済する智慧はどこにあるか

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大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第221回
夏の午後、六本木ヒルズ、森美術館に行く。
【神の怒り】人類史をみると人の密集した都市文明は異常である*。神々は、カネと地位に執着する人間たちに天罰を下す。
人格なき学識(Knowledge without Character)、道徳なき商業(Commerce wihtout Morality)、人間性なき科学(Science without Humanity)は人間を滅ぼす。「マスコミは無知な大衆をだますことが仕事である」TV局社長。文明は死を超えて、利益を追求する。BC8000年、農耕牧畜が始まり、人獣共通感染症が出現。家鴨と豚を一緒に飼うことによって出現した。森林を伐採して農地を作り、そこに大量の肥料をまき文明が栄えた。BC4000年シュメールに都市文明が誕生、階級社会が生まれ、宗教と藝術と学問が生まれた。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
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時間の庭のひとりごと
100年に一度の感染爆発の危機にあって、現代美術のスターたちは、大衆をだます詐欺師か、天から舞い降りた創造者か。
私は、ひとり糸杉の森で、天災人災を調伏するため、大日如来、愛染明王に祈りをささげ、真言を唱える。
杉本博司《時間の庭のひとりごと》2020年は、人の少ない海と森のなかで人間が生きることの意味を考えさせる。杉本博司72歳の映像作品。
地球上で起こるすべての環境破壊は、人間の欲望によって生まれた。近代資本主義が築いた文明が無に帰すとき、人間が理想とすべき、生きかたの形、偉大な人類の精神が現れる。
アクロポリスのパルテノン神殿は、古代人の理想を刻む。現代人は、古代文化の精神に思いを馳せ憧れる。廃墟になっても美しい、人の心を打つ藝術を創造することが、真の藝術家の使命である。
現代美術のスターたちは、大衆をだます詐欺師か、天から舞い降りた創造者か。
【如意輪観音菩薩】「真実を語る人は黙殺される。虚偽を語り、人をだます者が尊重される鬼畜競争社会」「天から降りた天人はこの世の守銭奴に苦しめられる」「六道輪廻、天人は、餓鬼道の人間に虐められる。天人は、如意輪観音に救われる。六観音の教え。大報恩寺」
人生で、よい師と出逢うことは、重要なことだ。しかし、よき師に出逢うことは困難である。求めて出逢うことは、まれである。【ミケランジェロとロレンツォ】1489年メディチ家ロレンツォがギルランダイオを介して、ミケランジャロと出会う。1490年から1492年メディチ家が創設したプラトン・アカデミーに参加。ミケランジェロ藝術の原点。
【本質をみる学問】古代ギリシアの学問は、現象を捉えるだけの表面的な学問でなく根本的に知性を磨き教養を養い、精神的な価値を考えさせる学問。パルメニデス、ヘラクレイトス、エンペドクレス、ソクラテス、プラトン。哲学者の思想の回廊に刻まれた美しい日々。プラトン哲学の奥義を究めた。
【人口削減計画】ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するためにテミスと試案を重ね、大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意をした。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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展示作品の一部
杉本博司《時間に庭のひとりごと》2020年、映像作品
杉本博司《シロクマ》1976年
村上 隆《Ko²ちゃん(プロジェクトKo²)》1997年
奈良美智《Voyage of the Moon (Resting Moon) / Voyage of the Moon》2006年
李禹煥《関係項》1969/1982年
草間弥生《ピンクボート》1992
宮島達男《Sea of Time '98》1998年
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参考文献
【人口削減計画】ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するためにテミスと試案を重ね、大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意をした。
https://bit.ly/2XoaNcd
感染爆発、帝国と都市国家の戦い。この世の果てを超えて、旅する詩人・・・「時の関節が外れた」シェイクスピア
https://bit.ly/2XoaNcd
世界の果てへの旅:The World's End ・・・理念を探求する旅人
https://bit.ly/2WylxmE
ウィルスと人類の戦い・・・感染爆発の歴史、アテネのペリクレス、ルネサンス、厩戸皇子 、盧舎那仏
https://bit.ly/2z32Orl
「愛染明王像」康円作、鎌倉時代13世紀。京都神護寺から東京国立博物館に寄託。
「大日如来坐像」運慶作、鎌倉時代12世紀、栃木、光得寺
「密教彫刻の世界」東京国立博物館・・・愛染明王、金剛薩埵の化身
https://bit.ly/2WNIoNt

STARS展、現代美術のスターたち、森美術館 ・・・資本主義史上最大の感染爆発、混迷する人類、救済する智慧はどこにあるか
https://bit.ly/30g3TY4
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ガンジー『魂のことば』『七つの社会的罪』(Seven Social Sins)
理念なき政治(Politics without Principles)
労働なき富(Wealth without Work)
良心なき快楽(Pleasure without Conscience)
人格なき学識(Knowledge without Character)
道徳なき商業(Commerce wihtout Morality)
人間性なき科学(Science without Humanity)
献身なき信仰(Worship without Sacrifice)
(長谷川真理子)「人類史でみると人の密集した都市文明は異常である」
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STARS展、現代美術のスターたち、日本から世界へ、森美術館、2020.7.31(金)~ 2021.1.3(日)
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/stars/

2020年7月26日 (日)

「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」・・・浮き世の遊宴と快楽と美女

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Utagawakuniyoshi-sanukiinkenzoku-1851
夏の森を歩いて、美術館に行く。浮世絵は、浮き世の遊宴と快楽と美女から生まれた。憂き世の憂いを忘れ、遊宴、劇場、歌舞伎役者、有名な英雄、有名な美女を愉しむ、江戸人の享楽。
菱川師宣「見返り美人図」1693から歌川国芳「讃岐院眷属をして為朝を救ふ図」1851まで。歌川国芳(1798-1861)は、幕末の混沌のなかで、英雄の武勇を表現した。
【浮世絵と美人画】菱川師宣から始まる浮世絵は、錦絵創始期の第一人者鈴木春信、「春章一幅値千金」と謳われた勝川春章の肉筆画、八頭身美人の江戸のヴィーナスと呼ばれる鳥居清長、青楼の絵師と謳われた喜多川歌麿へと展開した、5人の絵師。美人画の歴史である。
【浮世絵の黄金時代】18世紀末、19世紀、浮世絵は黄金時代を極める。熾烈な競争と幕府の弾圧と我身の運命と戦う浮世絵師。歌麿、写楽、北斎、広重、国芳、5人の絵師は、波瀾のなかで偉大な作品を残した。歌川国芳(1798-1861)は、幕末の混沌のなかで、英雄の武勇を表現した。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【美人画の系譜】浮世絵の祖・菱川師宣から、鈴木春信、勝川春章、鳥居清長、喜多川歌麿、17世紀から19世紀
菱川師宣(1618-1694)、安房国 (千葉県) の縫箔を家業とする家に生れる。寛文年間 (1661~73) 、画家を志して江戸に出てから死没 (元禄7(1694).6.4、77歳) まで。菱川派の祖としてその配下の画工たちと,絵本、挿絵本、一枚絵の組物といった版画作品 (好色本)、遊楽の場面を描いた肉筆画を精力的に制作した。墨摺絵(万治年間 (1658~61)と呼ばれる墨一色の世界に、明暦の大火 (57) 以後、江戸庶民の生活、風俗を表現。美人のタイプは「菱川様の吾妻おもかげ」と呼ばれ、普及した。浮世絵の元祖。主要作品、版画『伽羅枕』 (1661~73)、『秘戯図』、肉筆画では『北楼及演劇図巻』 (1672~89,東京国立博物館) 、『見返り美人図』 (1693頃、東京国立博物館) 。76歳で死す。
五大、美人画絵師
鈴木春信(1725-1770)、錦絵の創始者。浮世絵師としての活動はわずか10年。江戸時代中期の浮世絵師であり、錦絵(多色摺木版画)の誕生に大きく寄与した。明和2 (1765) 年鈴木春信らが多色摺木版画である錦絵を創始し、浮世絵の黄金時代を迎える。人形のように華奢な春信美人は一世を風靡。45歳で死す。
勝川春章(1726-1792)、江戸中期、「春章一幅値千金」と謳われた勝川春章の肉筆画で有名である。葛飾北斎は、【春朗期(20~35歳)】勝川派として活動する。春章は、68歳で死す。
鳥居清長(1752-1815)、63歳で死す。江戸時代後期、鳥居清満の門人となり師没後に鳥居家4代目を襲名。美人画に転じて清長風と呼ばれる八頭身、長身で端麗な美人を描き、群像表現、風景との組合せ、天明期 (81~88) の浮世絵界で活躍。代表作『当世遊里美人合』『風俗東之錦』『美南見十二候』、三大揃物。
喜多川歌麿(1753-1806)は、反骨の絵師、寛政の改革の弾圧に抵抗、52歳まで描きつづけ、54歳で死す。
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展示作品の一部
史上初の3点同時出品となる鈴木春重(後の司馬江漢)「雪月花」
世界に唯一現存するとされる東洲斎写楽「曾我五郎と御所五郎丸」(重要美術品)
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」横大判錦絵、天保元~4年(1830-1833)頃
太田記念美術館
東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」大判錦絵、寛政6年(1794)5月、日本浮世絵博物館
石川豊信「花下美人」重要文化財 大々判漆絵、延享期(1744-1748)、平木浮世絵財団
葛飾北斎「富岳三十六景」神奈川沖浪裏
安藤広重「名所江戸百景」深川万年橋
歌川国芳「人をばかにした人だ」大判錦絵、弘化4年(1847)頃、日本浮世絵博物館
歌川国芳「讃岐院眷属をして為朝を救ふ図」 1951
歌川国芳「相馬の古内裏」
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参考文献
「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」・・・浮き世の遊宴と快楽と美女
https://bit.ly/30JCdd2 
「大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演」江戸東京博物館・・・謎の絵師写楽、画狂老人卍
https://bit.ly/35ywoAa
「大浮世絵展」・・・反骨の絵師、歌麿。不朽の名作『名所江戸百景』、奇想の絵師
https://bit.ly/34AB3Bz
「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」東京都美術館・・・世に背を向け道を探求する、孤高の藝術家
https://bit.ly/2BUy4rl
「新・北斎展」森アーツセンターギャラリー・・・悪霊調伏する空海、『弘法大師修法図』
https://bit.ly/2HAZJ5y 
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鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳まで、浮世絵の歴史を網羅する総勢約60名の絵師たちの代表作、450点。
浮世絵は、江戸時代の庶民たちに愛好された、日本を代表する芸術の一ジャンルです。その人気は海を渡り、印象派の画家をはじめとする欧米のアーティストたちに大きな影響を与え、ジャポニスム旋風を巻き起こしたことはよく知られています。また、葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、世界で最も有名な日本の絵として、多くの人々に愛されています。
本展覧会は、質、量ともに日本の三大浮世絵コレクションと言っても過言ではない太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団の名品をはじめて結集し、選りすぐった約450点の浮世絵版画を展示します。浮世絵版画の名品は海外に流出したと言われることもありますが、実は日本国内に世界最高水準の浮世絵コレクションが存在するのです。浮世絵の初期から幕末まで、代表的な浮世絵師たちによる名品の数々をお楽しみください。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2020_ukiyoe.html
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「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」東京都美術館、7月23日—9月22日
前期展示:7月23日(木・祝)~8月23日(日)
後期展示:8月25日(火)~9月22日(火・祝)

2020年7月15日 (水)

織田信長の苦悩、信長と道三、復讐の嵐。連動する美濃と尾張、帰蝶と絶世の美女、生駒吉乃

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大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第219回
【復讐する偉大な王】アレクサンドロス大王、クレオパトラ7世、弟プトレマイオス14世を暗殺。プロイセンのフリードリッヒ大王、織田信長、偉大な人生は、復讐から始まる。絶望に立ち向かう。絶望を超えて、復讐を果たし、天の仕事を成し遂げる。
「この世は舞台であり、人は役者にすぎぬ」『お気に召すまま』
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
【天人午睡 :世界の果てへの旅】
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。
はちみつ色の夕暮れ、黄昏の丘、黄昏の森を歩き、夕暮れのアポロン神殿に行く。糸杉の丘、仏陀の智慧が覚醒する。奇想の画家、若冲は「千歳、具眼の士をまつ」といった。
天人はこの世に舞い降りて、餓鬼道の者に嫉妬され虐げられることがある。如意輪観音菩薩は、この世に生きる天人を救う。
美しい魂は、輝く天の仕事をなす。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
――
1、
【織田信長と斉藤道三、復讐の嵐】尾張守護代織田彦五郎の家老坂井大膳が守護斯波義統を暗殺。義統の嫡男義銀が織田信長を頼る。信長の叔父信光が彦五郎を暗殺。親信長派の斎藤孫四郎・喜平次が勢いづく。反信長派の斎藤高政が孫四郎・喜平次を暗殺。斎藤道三と高政、全面戦争へ。孫四郎様と喜平次様の亡骸を確認して悲嘆、そして狂乱する斉藤道三。
【斉藤道三と斎藤高政の戦い】
斎藤道三に反旗を翻した後、斎藤高政は一時期「范可」と名乗る。これは中国の故事で父親殺しを行った人物の名に因んだもの。逆に言えば、高政は道三を実の父親だと認識していた。長良川の戦い、弘治2年(1556年)4月、道三、死去。
【斉藤道三の最後】孫四郎と喜平次の亡骸を確認して、悲嘆し、そして狂乱する道三、リア王。リア王は生来の気性の荒さと老いからくる耄碌で、2人の娘の腹の底を見抜けず、裏切られ、悲嘆と狂乱のうちに哀れな最期を遂げる。
道三の状況とよく似ている。「麒麟がくる」
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2、
【織田信長の逆境、連動する尾張と美濃】長良川の戦い、弘治2年(1556年)4月、斎藤道三が自身の嫡男・義龍との戦に敗れて死去。織田信勝は林秀貞・林通具・柴田勝家らを味方につけて信長に対して挙兵。8月24日、稲生で柴田勝家が敗れ、次いで林通具が討死(稲生の戦い)。信長、報復を果たす。弘治3年(1557年)弟信勝、信長を殺害しにくる。信長、返り討ち。
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3、
【織田信長の妻。帰蝶、生駒吉乃】
帰蝶は、ただの政略結婚。帰蝶は斉藤龍興と対立、斉藤道三は龍興に敗れ、闇に消える。
【絶世の美女、生駒吉乃】吉乃の子。信忠(1557-82)26歳で非業の死。徳姫(1559-1636)は松平信康に嫁ぐ。76歳で死ぬ。織田信雄(1558-1630)は徳川家康とともに豊臣秀吉と戦う。信雄72歳で死す、信長の血を残す。
【織田信長3人の妻:帰蝶、生駒吉乃、お鍋の方】道三の娘、帰蝶、奇蝶・濃姫、行方不明。生駒家宗の娘、生駒吉乃(1527-1566)、信忠・信雄・徳姫。お鍋の方、側室、七男の信高と八男の信吉、娘・於振の母。近江の豪族・高畑源十郎の娘。本能寺の後、いち早く岐阜城へ戻り、信長の遺品を「龍興申さるゝは、信長は、故道三の聟なれば、信長妻の爲には姪なれば、其妻死後に遺し難し」
【織田信忠】信長の長男。母は側室の生駒吉乃。信長の後継者として、甲斐武田家を滅ぼした甲州征伐(1582年)では織田軍の総大将を務めた。
【蝮の道三の娘、帰蝶、奇蝶・濃姫】美濃国の戦国大名、守護代、斎藤道三(利政)と正室である小見の方の唯一の子、政略結婚で尾張国の織田信長に嫁ぐ。信長の正室であるが『信長公記』にその名は無く、後半生の逸話が極めて少ない。早くから死別、或いは離縁されたとの説が立つ。謎の人生
【蝮の道三の娘、帰蝶、奇蝶・濃姫】斎藤道三(利政)は、稲葉山城を斎藤義龍(高政)に譲って出家、再び道三と号して鷺山城に退く。翌年、この城から古渡城の織田信長のもとに嫁いだため、鷺山殿とも呼ばれた。江戸時代に成立した「美濃国諸旧記」では帰蝶、歸蝶、奇蝶、「武功夜話」では胡蝶。
【織田信長13人の子、政権争い】清州会議
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4、尾張と美濃、連動する戦い
【道三と高政、美濃を二分する戦い、高政と帰蝶、敵対】斉藤道三、大桑城から出陣、明智軍、明智城から出陣、鶴山に集結。稲葉山城の高政、岩倉城の織田信賢と内通、さらに今川義元と内通。清州城の織田信長、織田信賢と敵対。【桶狭間の戦い】信長と義元の戦いに発展する。
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参考文献
織田信長、本能寺の変、孤高の城、安土城、信長の価値観
https://bit.ly/39FAMQc
織田信長、元亀の争乱。武田信玄の死。絶世の美女、生駒吉乃
https://bit.ly/2oacbQH
織田信長、第六天魔王、戦いと茶会・・・戦う知識人の精神史
https://bit.ly/3gqTr5n
織田信長、茶を愛好、本能寺の変、天下布武、天下の三肩衝・・・戦う知識人の精神史
https://bit.ly/2R1G0fU
織田信長、信長包囲網との戦い、八つの戦い、比叡山、天下一の名城、安土城
https://bit.ly/2FkeiJX
織田信長、天下布武、知的で革命的。既存の階級社会、価値観を否定・・・戦う知識人の精神史
https://bit.ly/2MP00UY

2020年7月 3日 (金)

特別展「きもの KIMONO」・・・織田信長の陣羽織「黒鳥毛揚羽蝶模様」、戦国一の美女と落城

Kimono2020
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第218回
深緑の森を歩いて、博物館に行く。「人間、衣裳を剥ぎとれば、おまえのように、あわれな裸の二本足の動物にすぎぬ」『リア王』。時の関節が外れた、価値体系の崩壊した混沌の時代、王は王の衣装を身につけ、貴族は官僚の衣装を身につけ、武人は甲冑を身につけ、詐欺師の司祭は僧衣を身につけた。衣装は階級社会の象徴である。
16世紀、安土桃山時代、武将たちは、旗幟鮮明にし、権謀術数を尽くして都市と都市が戦う、階級闘争、下剋上の時代。エリザベス朝演劇のように、復讐が繰り広げられた。正義を奪う者に対する復讐、『ハムレット』『テンペスト』、復讐劇に彩られた世界。織田信長の弟、信勝は、なぜ、信長を2度、殺しにきたのか。
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【バロックと戦国】織田信長は、戦場で揚羽模様の陣羽織を纏って指揮した。信長は、西洋甲冑を着て、世界制覇を狙うイエズス会士フランシスコ・カブラルと対峙。宣教師から武器調達、タイ製弾丸。1563年ルイス・フロイス来日、1571年レパントの海戦、1575年長篠の戦、石山本願寺戦争1570-80、「宣教師の征服計画」秀吉、グネツキ・オルガンティノ、高山右近説得(聖イグナシオ洞窟教会)、国友の火縄銃、石山戦争終結。「われは神である」信長、1582年本能寺の変。
1598年9月13日、ハプスブルグ帝国フェリペ2世の死後、5日後に、秀吉は死ぬ。
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【思想家のことば 孔雀のプライド】孔雀は、人前でその美しい尾羽根を隠す。これは、孔雀の矜持と呼ばれる。孔雀のような動物でもそうなのだから、わたしたちは人間として、一層の慎みと矜持を持つべきである。『善悪の彼岸』
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戦国の美しい姫は、政略結婚の道具に過ぎない、天下人に嫁ぎ、戦乱の狭間に散る、城とともに死す。
【織田信長、絶世の美女、生駒吉乃】信長の嫡男、信忠、五徳、信雄を生む。信忠、本能寺の変で二条城にて自刃。徳姫、家康の嫡男、松平信康に嫁ぐ、信康死に、76歳まで生きる。織田信雄は徳川家康とともに豊臣秀吉と戦う。信雄72歳で死す、信長の血を残す。
【信長の妹、戦国一の美貌、お市】美女の娘は美女、浅井三姉妹、茶々(淀)、初、江。豊臣秀吉の寵愛を受けた淀、京極高次の正室・初、徳川秀忠の正室・江。大坂夏の陣1615年(慶長20年)で、淀君と豊臣秀頼は、大阪城炎上とともに死ぬ。
【千姫、家康の孫、政略結婚】秀忠の正室・江の娘。千姫は、家康の命で、7歳で豊臣秀頼に嫁入り。夏の陣で、祖父、家康の命令で救出される。
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【千姫、本多忠刻に2度目の嫁入り】江戸に送り届けられる途中、七里の渡し船中で、桑名城主本多忠刻に一目惚れ、家康が千姫の気持ちを汲んで本多忠刻と結婚。翌年、元和3年(1617)本多忠政が姫路城主となり、千姫には10万石の化粧料が与えられ、 姫路城西の丸御殿で幸福な日々を過ごす。長男の幸千代はわずか3歳で病没、さらに夫の忠刻もその数年後病で世を去り、千姫の二度目の結婚生活わずか11年。この時、千姫は30歳。江戸に戻った千姫は、仏門に入って天樹院と称し、寛文6年(1666)2月、70歳の生涯を終えた。
【姫路城】池田輝政、信長の家臣、池田恒興の二男。織田、豊臣、徳川に仕える。
慶長5年(1600)天下分け目の関ケ原の合戦で軍功をあげ、家康の娘婿でもある池田輝政が播磨一国52万石の大大名となって姫路城主となって築城。池田輝政は大坂城と豊臣恩顧の西国大名に備えるため、家康の支援の下、慶長6年(1601)から姫路城の大改築に着工、慶長14年(1609) 完成。姫路城は城郭建築の技術の粋を結集、五層七階の大天守と三層の小天守が連結した本丸、二の丸、大規模で防備と造形美を兼備した名城。
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
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展示作品の一部
陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様 織田信長所用  安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵
腰から上の部分をすべて山鳥の毛で覆った陣羽織。信長の家紋といわれる揚羽蝶の模様には、山鳥の白い羽毛を一本一本刺しこんだ上で、カッティングを施しています。衿や裾には 南蛮風の襞(ひだ)が施され、外国趣味だった信長の趣向がうかがえます。戦国武将たちは、珍しい素材で突飛な技術を用いて比類ない衣装を誂え、その勇姿を誇示しました。
陣羽織淡茶地獅子模様唐織豊臣秀吉所用 安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵
獅子が駆ける姿をいきいきと織り出した唐織で仕立てた陣羽織。衿には戦国武将が好んだヨーロッパ産の猩々緋の羅紗が用いられています。華やかで豪壮な意匠を好んだ秀吉にふさわしい1領です。
重要文化財
縫箔 白練緯地四季草花四替模様 安土桃山時代・16世紀 京都国立博物館蔵
全身を4つに区切った大胆な構成は「四替(よつがわり)」と称され、安土桃山時代を象徴する流行デザインの1つでした。梅模様が春、藤の花房が夏、紅葉が秋、雪持笹が冬を表わします。地を埋め尽くすように、黄緑や紅といった明るい色調の絹糸で刺繡しています。
重要文化財
小袖 黒綸子地波鴛鴦模様 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
腰部分を空けて弧を描くような躍動的なデザインが、町方の経済力を背景に寛文期(1661-1673)に流行しました。大胆に孤を描く網干(あぼし)模様は、波のようにデフォルメされ、また筍のようにも見える、遊び心を感じさせるデザインです。
重要文化財
振袖 紅紋縮緬地束熨斗模様 江戸時代・18世紀 京都・友禅史会蔵
熨斗模様(のしもよう)そのものも豪華ですが、熨斗の一筋一筋に施された友禅染の繊細な色挿しは、江戸時代中期における最高の友禅染の技術を駆使しています。
前期展示 4月14日(火)~5月10日(日) 京都・友禅史会蔵
重要文化財 小袖 白綾地秋草模様 尾形光琳筆 江戸時代・18世紀 東京国立博物館蔵
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参考文献
特別展「きもの KIMONO」・・・織田信長の陣羽織「黒鳥毛揚羽蝶模様」、戦国一の美女と落城
https://bit.ly/2NRghXr
織田信長、本能寺の変、孤高の城、安土城、信長の価値観
https://bit.ly/39FAMQc
織田信長、元亀の争乱。武田信玄の死。絶世の美女、生駒吉乃
https://bit.ly/2oacbQH
織田信長、第六天魔王、戦いと茶会・・・戦う知識人の精神史
https://bit.ly/3gqTr5n
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日本の美意識を色と模様に表わした「きもの」。その原型である小袖(こそで)は、室町時代後期より、染や刺繡、金銀の摺箔(すりはく)などで模様を表わし、表着(おもてぎ)として花開きました。きものは、現代に至るまで多様に展開しながら成長し続ける日本独自の美の世界を体現しています。
本展では、信長・秀吉・家康・篤姫など歴史上の著名人が着用したきものや、尾形光琳直筆の小袖に加え、狩野秀頼「観楓図屏風」「婦女遊楽図屏風(松浦屏風)」きものが描かれた国宝の絵画作品、 さらに現代デザイナーによるきものなど約300件の作品を一堂に展示。800年以上を生き抜き、今なお新たなファッション・シーンを繰り広げる「きもの」を、現代を生きる日本文化の象徴として展覧し、その過去・現在・未来を見つめる機会とします。
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1987
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特別展「きもの KIMONO」、東京国立博物館 平成館にて、2020年6月30日(火)から8月23日(日)まで

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